2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧
ブルードゥウェイのコンサートホールでは 新作演劇のオーディションが 粛々と執り行われていた テンムスは もちろん演技はおろか 歌唱の経験さえもなかった 周りの人々が行う様子を伺いながら ミュージカルというものの雰囲気を 肌感覚で探っていたのであっ…
バツン! 何かを裁断したような音が 辺り一面に拡がった 〜〜〜! ニヴィタシィのパンチを 一撃食らって 悶えるダンジョウ 全身が痺れていた ニヴィタシィさんは なんでこんなに強いパンチが撃てるのに 試合に出ないんですか? オレは右目が見えねぇんだ 試…
筋トレはやめだやめだ ダンジョウ、全開だ 心力フルスロットルで スパーリングやっぞ よ〜し、がんばるぞ〜 ニヴィタシィのトレーニングルームには もちろんリングも併設されている ボクシングのリングとは異なり 八角形となっている コーナーは宙に浮いてお…
ニヴィタシィは頭を抱えていた ダンジョウが思いの外 ウエイトを持ち上げられないこと このままいくとスパー もまともに出来ないかもしれないと 不安を感じ始めていた ニヴィタシィさん これ、マジできつい レッグプレスのマシンに至っては 重りをつけていな…
ブルードゥウェイにある コンサートホール リンゴスことテンムスと ヴリテリーは オーディション会場へと入った なんとかギリギリね ふたりはへとへとになりながらも安堵した そこへミリンダがやってきて ふたりを軽く見下ろした あら、この街のヒトの服装に…
タヅクリさん、 もしよろしければ やるからには 目標を決めてみませんか? 例えばコンサートに出るとか… 音楽団に入団するとか そうじゃなぁ 音楽団はどんな場所で 活躍するんじゃろ? コンサートホールや ブルードゥウェイの舞台でも 演奏することがありま…
すー すー タヅクリは早速 受け取ったロックスを 吹き始めたが 音は鳴らなかった タヅクリさん ただ息を吹き込むだけでは この楽器は鳴りませんよ 下唇を下の歯に当てるようにして 巻き込み 上唇をマウスピースに乗せます この時ただ息を吹いても 鳴りません…
タヅクリはそのまま Rubbスタンドで寝てしまっていた 砂金時計は 早朝の時刻付近で流れ落ちている ワシとしたことが 酔い潰れて寝てしもうたわい マスター、すまんのう 迷惑かけてしもうた いえ、良いんですよ わたしはいつもずっとここに 居りますので ユヴ…
テンムスが オーディション会場に着いた頃 ダンジョウは… ぼぼぼっ…バシュ〜っ! で、出来た…! 遂に心力グローブの作り方を 体得したのだった やるじゃねぇか やっとスパーに入れるな と言いたいところだが 現チャンピオンは なかなかの素早さだ そしてウエ…
ヴリテリーは 手元の砂金時計を見やると 途端に焦り始めた まずい!こんな時間だ! 急がなくちゃ! テンムスも カンローニに手渡された 砂金時計を見た ヴリテリーは 勾玉に心力を ありったけ注ぎ込み マシンを加速させた 途中、警察に追いかけられたが なん…
リンゴスことテンムスは あるショーの オーディションに向かっていた 西の都市で利用した イモムシカーならぬ 牛カーが道路をひっきりなしに 走っていた カンローニから聞かされた方法を テンムスは試してみた 親指を天に向け 少し歩道から身を乗り出す そう…
摩天楼聳え立つ メインストリームの一角 そこに佇むナイトクラブ ニュー・ヨーグル リンゴスことテンムスは トップ女優ミリンダの ショーを最後まで見届けると ミリンダの楽屋へと赴いた もちろんトップ女優なので 楽屋の前には SPが待ち構えていた "これは…
ここは北西の市街地 偶然入ったスタンドで タヅクリは ある音楽に釘付けになった 石管楽器から出たその音色は タヅクリのこころの寂しさを 埋めるように こころの隙間にやさしく取り入った タヅクリは生まれてこの方 機械や無機物に夢中だったので 音楽を間…
ダンジョウは 西の都市であった一切を ニヴィタシィに話した ニヴィタシィは ダンジョウが話している間 何も言わずに 彼の話を静かに聞いていた オレは仕事柄 助けられないなんてこと 茶飯事だぜ だがな お前のその感覚は 忘れちゃいけねぇんだ オレだって …
ダンジョウは ニヴィタシィと スパーリングを行う ダンジョウは ニヴィタシィから メリケンサックのようなものを 手渡された なに?これ アメリケン用の勾玉さ ボクシングで言う グローブってやつだな え グローブってもっと大きくて 保護してくれる感じじゃ…
タヅクリはひとり街を彷徨っていた ダンジョウもテンムスも どこへ行ったんじゃ 毎回ワシを置いてけぼりにするんじゃ ニヴィタシィの治療を受けた タヅクリだったが 目が醒めると ニヴィタシィの診療所ではない 見知らぬ場所へ寝ていた かろうじて 大切な勾…
というわけで テンムスはナイトクラブ ニュー・ヨーグルへと 足を運んだのであった なかに入ると ショーの真っ最中だった テンムスは そのままなかへ入ろうとしたが 黒服に止められた お客さま、ここは会員制ですので 会員証をご提示願います "会員証…" 昨日…
昨日のこと プラント総括長シャオビンを 追っていたテンムスは カンローニという謎の男に助けられ 手当てを受けるのだった 調子はどうかな? カンローニはゆったりとした声色で テンムスに語りかけた え、えぇ さっきよりは良いわ ありがとう テンムスはまと…
ダンジョウは都市郊外の 荒野を走っていた ちょうどダンジョウたちが ニヴィタシィ一味に 拾われた辺りだ まだ? まだ走るの? ダンジョウはバテバテだ ニヴィタシィは 自転草に乗って先導している まだまだこんなもんじゃねぇぞ 試合んなったら 予測しない…
ニヴィタシィは 神妙な顔をしながら ダンジョウに向けて静かに言った お前、 この街で地上人であることを 公言でもしてみろ 今に生命を狙われるぞ それどころか 死なせてももらえないだろう 格好の餌食だ 特に日本人なら尚更だ お前は今から オレの隠し子に…
ダンジョウは状況が掴めず まだキョトンとしていたが 少しずつ飲み込めてきたようだった ぼくはダンジョウヤマトです よろしく テンムスは… えと、珍しい模様の髪飾りをして ビードロみたいな耳飾りの ちょっとつり目の女の子 見ませんでしたか? ここには来…
ヘッドと呼ばれる男は 下っ端に指示を出し ダンジョウとタヅクリを 手術台へ寝かせた 男はダンジョウの着ていた 衣服を脱がせると驚いた げっ、こりゃあひでぇな 皮膚が爛れてぼろぼろじゃねぇか おまけに服にも張り付いてやがる ジジイの方はまだ大丈夫そう…
ダンジョウとタヅクリ博士は 自転草に乗ったギャングたちに 連れられて街へやって来た 東や西の都市とは また違った造りの建物が 軒を連ねる大都会だ ギャングたちは 自転草を乗り捨てると メインストリームから一本外れた 路地裏へと身を潜めた ヘッド 荒野…
タヅクリ博士とダンジョウは なんとか溶岩ダムの外へと出た 辺りは荒野で どちらかと言うと砂漠に近かった しかしながら タヅクリも心力を ほぼほぼ使い果たしてしまった ふたりとも動けずじまいだ "こやつを助け出すのに必死で 後のことはまるで考えとらん…
一方、溶岩ダムの ダンジョウとタヅクリはというと タヅクリは心力コーティングが 剥がれかけ 汗をダラダラかいていた ダンジョウは 完全に心力を使い果たし 交信もままならない状態だった 無事着いたは良いが このままじゃと ふたりとも消し炭じゃ! タヅク…
テンムスは 先ほど打ち込まれた拳が まだ効いていたので 思うように声を出せなかった 嬢ちゃん なかなか良い顔しているじゃねぇか その男は 太い指でテンムスの顎を くいともちあげ まじまじ覗き込んだ おっと失礼 紹介がまだだったな わたしはカンローニ こ…
さながらアールデコ調の 高層ビルが軒を連ねる 北西の都市 人々が静かに 宇宙と交信を始める頃 テンムスは 路地裏の迷宮を駆けていた 彼女は今まさに 西のプラントから逃亡を図った プラント総括長シャオビンとの 戦闘中だった シャオビンは巨大な図体をして…
身体を心力でコーティングしても 熱気は伝わってくるなぁ ダンジョウは汗をダラダラかいていた 下を流れる溶岩以外 障壁になるようなものは なにひとつなかった… はずだった なんか輸送路が 狭まって来ているような 感じがするのは気のせいじゃろうか? うん…
やっぱり溶岩の近くは暑いなぁ… ダンジョウは空から降り立った瞬間に どっと汗を流した 一方のタヅクリは あまり変化がなさそうだ ダンジョウたちが 降り立った瞬間から 辺りには侵入警報が鳴り響いている 溶岩輸送路を移動するんでしょう? 早いとこ行かな…
ダンジョウたちは 無事にUFOに乗り込んだ 席に着くと 早速UFOが離陸した 全方位心力ヴィジョンで まるで席につきながらにして 空を飛んでいる感覚である 観光客たちは その非日常的な光景を見て 歓声を上げていた 一方のダンジョウはというと 飽きるほど乗っ…