ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

目醒めの炎

こころのなかの燭台に 目醒めの炎が灯って(い)る 余計なことに構わずに 天に向かって伸びてゆく 炎の柱はいのちの価値だ きみの求めるものならば 無我夢中になり追いかけろ 炎のなかに 答えを見つける その日まで ── 燭台の炎は、目の奥に映る。

砂塵のなかの女神

強く吹き荒れる 砂嵐のなか 光を纏った 女神の手招き おいで おいでと ぼくを誘って ぼろ切れ落として 消えてゆく 掴んだはずの 未来がたとえ ただの石ころだったとしても このぼろ切れで 綺麗な宝石に 変えてみせるさ ── あなたが未来を、求め続ける限り。

塀の向こう側

物事を突き詰めてゆくと その先にあるものを 知りたくなる もう少しだけ歩いてゆくと 高い塀に辿り着く よじ登るまでは 困難だ けれどもひとたび 登ってしまえば あなたの目には この世のものとは思えない 凄まじい絶景が 映っているだろう ── 続けることの…

張り裂けそうな、こころのなかで

思い出すたび 反吐が出るよ(う)な 蓋をしときたい 思い出や 思い出すたび 涙が出るよ(う)な 赦しを乞いたい 思い出は あなたの脈打つ心臓が 全部 ぜんぶ 憶えて(い)る それでも脈打つ心臓は 今日も休むことはなく いのちの水を 運ぶため 明日への道を 走り続…

あたりまえをつくる者たち

あなたが不味いと言った食べもの あなたがつまらないと言った本 あなたが気に入らないと言った服 これらに限ったことではないが それら全てをつくる人たちがいる あなたのあたりまえは その人たちのお陰で出来ている ただ、あたりまえのなかに居ると それが…

キマイラの涙

選りすぐって 組み合わせたもの 万能だとは言われがちだが 反面それが仇となり 足を引っ張ることもある 良いものをただ 合わせるのでなく 欠点を補えるような そんな関係性が 望ましい ── 助け合って、生きてゆきたい。

苦無の雨

泥沼の空から 苦無の雨が降る 身体の至るところに 突き刺さり 傷口からは 生命の水が溢れて(い)る 滴り落ちて 夜空の砂に 流れゆく 砂は土へと変わり 空まで伸びる 巨大樹となる ── 極楽浄土へ、続く橋。

灰色の海

空一面の 灰色の海 その海の奥底には ぼくらの目には 触れられたくない 何が眠っているのだろう もしも 大きな扇子を もっていたなら 波風を仰ぎ 津波を起こして 波間切り開き 真実を見せしめよう ぼくらには それを知る権利くらい あるのだから ── 淀んだも…

アンドロジナス

ぼくがあなたと結ばれなくても わたしはぼくと結ばれている ぼくはわたしと わたしはぼくと この肉体の内側に ふたつのこころは 宿っている ぼくやわたしには 夢を通じて会えるから だからわたしたちは あなたと結ばれる必要は ないのかもしれない ── 迷路を…

ポイニクス

遺伝子を受け継ぐ あなたの片割れ 何世紀にも渡って 繰り返し生まれる あなたとそのまた 誰かが紡ぐいのち あなたには 生まれた時から あなたを遺す 使命がある ── あなたのなかには、多くのいのちが宿っている。

トロイの木馬計画

体内の生産工場で 製造された 口から飛び出る 小さな兵士は 最終戦争の火種となる だからわたしは そんな兵士たちを やさしくそっと 抱きしめて 木馬を形作るための 糧となるよう 吹き込みたい ── 戦おうとしなくても、起き得る戦争を、この手で止めたい。

モーニング・グローリーの朝焼け

雲の山脈の隙間を縫って 横一列の朝焼け放て 不毛の空の淀んだ畑に 絶えず光の種を蒔け 輝きは徐々に拡がって 燦々輝く太陽が芽吹く ── 人々を繋ぐ、道標となれ。

雀蜂の針

黄色と黒は 危険信号の色 二回に渡って 穿つ意味とは 確実に相手を 仕留めるということ ── 二回刺されると、確実に死ぬ。

願いの力

願いは力の塊だ 願うことで 祈りは叶わないが 叶えるための 力をくれる 願いは意志の力 全細胞に行き渡り 目的に向かい 歩ませてくれる 危険な旅の 道標だ ── 強く願うことで、より身体は動いてくれる。

スター・パワー

星と星が共鳴すると 無限の力を引き出せる 星と星はシナプスと呼ばれ 電気信号を伝達させる 我々の脳のなかに 宇宙が拡がっている証拠だ 細胞のひとつひとつも星で 構成されている 言うなれば 我々の身体は 銀河系なのである ── 信じなければ、その力は使え…

海門のベル

潮風に乗り 海門のベルが 聴こえてくる 常に同じ音量で 僅かな音色で 鳴っている どこか懐かしく 安らぎくれる その音は きっと生まれた時に 聴こえた音だ ── それは、いつでも鳴っている。

雲の山脈 -夕暮れ-

空に 雲の山脈 浮かんで(い)る 山頂付近は 夕暮れの シロップで ほんのり染まって(い)る 七合目付近の 暗がりは 山頂付近を引き立てる そんな景色を 見たものだから 不自由 不条理 塗れた世界も 許してやろうと 思える気がした ── たまには上見て歩くのも、…

未踏の地

その地に足を踏み入れるまでに えらく時間のかかることもある 荊が敷き詰められていれば それは刈らなきゃならないし 港が崩れていたのであれば そこは直さなきゃならない 畑仕事と同じである 失敗を繰り返して ようやく踏み入る未踏の地 そこからもまた 失…

幸せの音色

今がどんなに困難でも ぼくは幸せの音色を求めて 旅を続ける そんな音色を聴ける時まで ぼくは何世紀でも生き続けるだろう 周りのみんなが死に絶えても 幸せの音色を聴けるその時まで ぼくは何世紀でも生き続けるだろう 運命なんてものは存在しない 神さまな…

宇宙への扉

ここは火の鳥の トリカゴでしかないから スクリーンテストもあるし 天気の偽装も簡単にできる でもね 宇宙への扉はいつだって あなたのなかにあって 絶えずそこへ繋がっている ロケットなんかに乗ったって 行ける場所ではないんだよ だって宇宙は あなた自身…

時間の名前

あなたが目にした 時間の名前 それは本来の名前 だろうか 管理しやすいよう 取り敢えず ついているだけで 本来時間に名前なんてない 感じるものであって 見るものではない 目安であって 縛られるものでもない 時間でさえも 首輪のついて(い)る そんな不自由…

電気の質量

食べ物を食べる時 電気のエネルギーも 摂取することがある 体重を気にする人 気分のすぐれない人は 一度電化製品から 離れてみるとよい 不思議と気持ちも 軽くなっているはず ── 負の感情も、負のエネルギーの過剰摂取で沸き起こる。

アキレウスの戦車

亡骸を引っ張り続ける アキレウスの戦車 たとえそれが千切れた 脚だけになっても 変わらぬ過去と一緒に 引き続ける それはまるで 蒸気機関車の客室のよう やがて踵に矢が刺さるまで きみは戦車を引き続けるのさ ── あなたが引き続けるのは、どんな思い出だろ…

黒い満月

黒い満月が昇る日は 無闇に外へ 出てはいけない 黒い満月が 黒い涙を流して 黒い雲へ 悩みを打ち明ける 黒い涙は ぼくらも一緒に 洗い流してしまうのだから そんな黒い満月を 見た日は外へ 出てはいけない ── あなたの知らない、世界を超えて。

プライマル・スクリーム

ぼくは生まれたときから 生まれたままで そのまま歳を重ねゆく 周りがどんなに年老いても ぼくは生まれたそのままで 日々生まれ変わり生きてゆく こころも身体もそのままで みんな死んで土に還っても ぼくは生まれ変わって 生きてゆく ── 寿命なんてものは、…

塩の湖

そこにはぼくらを 知るための 秘密の鍵が 眠って(い)る 塩の柱で作られた 一回切りの 鍵がある 針に蜘蛛糸 通すよう ぼくらのなかに ただひとつ たったひとつの 場所がある ─── 今の人類は、誰も知らない。

釈迦力のダイナモ・ハート

きみのなかの ダイナモ・ハート 擦り減るくらい 漕ぎまくれ たとえ電気が 点かなくとも 擦り減るくらい 漕ぎまくれ 百万ボルトの電流は 決して無駄にはならないさ いつかきみの 足裏伝って 反対側の世界の人の 生きる希望と なるはずだから ── あなたの伝え…

月面都市の風景

我々の星と変わりはないし 我々の見ている月のかたちは 表向きの取り繕ったものである 月面都市は表にはない 球体内部の側面に 都市や自然がびっしりひしめく 言うなれば 裏返しにしたテニスボールだ 地球の内部もまた 同じような風景である ── 決して表には…

誰も知らない

わたしは 誰も居ない 誰も知らない場所で 夢で出会った あなたとともに 誰も知らないような 生き方で 誰も知らない食べ物を 食べて 誰にも知られないように 過ごして居たい ── 宇宙の果てに、必ずある場所。

あなたとわたし

わたしがとても 心配しても あなたはいつも 何食わぬ顔 あなたがとても 不安なことも わたしにとっては いつものことよ ── その感覚が、混じり合うことはない。