早起きっていいものね 朝日がちょうど 起きてくる 早起きっていいものね 昼下がりには ゆっくりできる 早起きっていいものね 夕暮れまでの 時間が長い 早起きっていいものね 時間を忘れて 生きていられる ── 太陽に寄り添い、生きてゆきたい。
いまはとっても辛いけど もう少しだけ 粘ってみせて きっといいこと やってくるから ── 堪えた分だけ、恩恵がある。
鳴り止むことないサイレンに 耳を埋めて待っている ぼくの番はいつだろう 少し早い気はするけれど していて損はないだろう 方舟に乗る こころの準備は ── 時期は違えど、誰しも平等に。
明日に足を踏み入れた そんな自分に とっておきのごほうび ── 頑張った自分を、甘やかしちゃえ。
不安ばかりを抱えていても こころが苦しくなるだけさ 不安を含むすべての感情 楽しむように生きてゆけ さすればおのずと 未来は明るい ── 明るい未来を作る秘訣は、楽しく過ごす今にある。
天国の下は地獄だろう いや果たしてそうだろうか? 天国のなかにも地獄があって その地獄を生み出す天使も居る 天使のすべてがいいやつだなんて そんなの誰が決めたんだ 天使の皮を被った悪魔だって この地獄には居るんだよ ここは地獄のなかの天国 しかしな…
ニヴィタシィのアメリケンジムにて ダンジョウは鏡の断片が組み込まれた チャンピオンベルトを奪還するために 厳しいトレーニングに打ち込んでいた すると突然、ニヴィタシィが バタバタとジムに入り込んできた おい、ダンジョウ! チャンピオンからのタイト…
テンムスが目を覚ますと そこは見知らぬ部屋だった 霞む視界の端に 窓辺を見やる人影が見えた ん…ヴリテリー? テンムスは目を擦りながら ぼそりと呟いた 人影はこちらが目を覚ましたのに 気がついたのか ゆっくり近づいてきた お目覚めかな? テンムスに微…
オーディションの結果発表から日を待たず 早速新作演劇の稽古が始まった 不朽の名作の念願の舞台化ともあり 各方面からの注目が集まっていた テンムスは そんな新作演劇の主演を任された 新人女優ともあり メディアはこぞって彼女を特集した 二十歳にも満た…
タヅクリは 楽団の門の前に立っていた "うぅ…、緊張するのぅ… こんなに緊張したのはいつ以来じゃ? 確か、思伝石の発見を発表した時じゃから だいぶ前になるのぅ…" タヅクリは回想に浸りながら 楽団の門を叩いた 翌日、音楽団の練習風景のなかには タヅクリ…
ブルードゥウェイのコンサートホールでは 新作演劇のオーディションが 粛々と執り行われていた テンムスは もちろん演技はおろか 歌唱の経験さえもなかった 周りの人々が行う様子を伺いながら ミュージカルというものの雰囲気を 肌感覚で探っていたのであっ…
バツン! 何かを裁断したような音が 辺り一面に拡がった 〜〜〜! ニヴィタシィのパンチを 一撃食らって 悶えるダンジョウ 全身が痺れていた ニヴィタシィさんは なんでこんなに強いパンチが撃てるのに 試合に出ないんですか? オレは右目が見えねぇんだ 試…
筋トレはやめだやめだ ダンジョウ、全開だ 心力フルスロットルで スパーリングやっぞ よ〜し、がんばるぞ〜 ニヴィタシィのトレーニングルームには もちろんリングも併設されている ボクシングのリングとは異なり 八角形となっている コーナーは宙に浮いてお…
ニヴィタシィは頭を抱えていた ダンジョウが思いの外 ウエイトを持ち上げられないこと このままいくとスパー もまともに出来ないかもしれないと 不安を感じ始めていた ニヴィタシィさん これ、マジできつい レッグプレスのマシンに至っては 重りをつけていな…
ブルードゥウェイにある コンサートホール リンゴスことテンムスと ヴリテリーは オーディション会場へと入った なんとかギリギリね ふたりはへとへとになりながらも安堵した そこへミリンダがやってきて ふたりを軽く見下ろした あら、この街のヒトの服装に…
タヅクリさん、 もしよろしければ やるからには 目標を決めてみませんか? 例えばコンサートに出るとか… 音楽団に入団するとか そうじゃなぁ 音楽団はどんな場所で 活躍するんじゃろ? コンサートホールや ブルードゥウェイの舞台でも 演奏することがありま…
すー すー タヅクリは早速 受け取ったロックスを 吹き始めたが 音は鳴らなかった タヅクリさん ただ息を吹き込むだけでは この楽器は鳴りませんよ 下唇を下の歯に当てるようにして 巻き込み 上唇をマウスピースに乗せます この時ただ息を吹いても 鳴りません…
タヅクリはそのまま Rubbスタンドで寝てしまっていた 砂金時計は 早朝の時刻付近で流れ落ちている ワシとしたことが 酔い潰れて寝てしもうたわい マスター、すまんのう 迷惑かけてしもうた いえ、良いんですよ わたしはいつもずっとここに 居りますので ユヴ…
テンムスが オーディション会場に着いた頃 ダンジョウは… ぼぼぼっ…バシュ〜っ! で、出来た…! 遂に心力グローブの作り方を 体得したのだった やるじゃねぇか やっとスパーに入れるな と言いたいところだが 現チャンピオンは なかなかの素早さだ そしてウエ…
ヴリテリーは 手元の砂金時計を見やると 途端に焦り始めた まずい!こんな時間だ! 急がなくちゃ! テンムスも カンローニに手渡された 砂金時計を見た ヴリテリーは 勾玉に心力を ありったけ注ぎ込み マシンを加速させた 途中、警察に追いかけられたが なん…
リンゴスことテンムスは あるショーの オーディションに向かっていた 西の都市で利用した イモムシカーならぬ 牛カーが道路をひっきりなしに 走っていた カンローニから聞かされた方法を テンムスは試してみた 親指を天に向け 少し歩道から身を乗り出す そう…
摩天楼聳え立つ メインストリームの一角 そこに佇むナイトクラブ ニュー・ヨーグル リンゴスことテンムスは トップ女優ミリンダの ショーを最後まで見届けると ミリンダの楽屋へと赴いた もちろんトップ女優なので 楽屋の前には SPが待ち構えていた "これは…
ここは北西の市街地 偶然入ったスタンドで タヅクリは ある音楽に釘付けになった 石管楽器から出たその音色は タヅクリのこころの寂しさを 埋めるように こころの隙間にやさしく取り入った タヅクリは生まれてこの方 機械や無機物に夢中だったので 音楽を間…
ダンジョウは 西の都市であった一切を ニヴィタシィに話した ニヴィタシィは ダンジョウが話している間 何も言わずに 彼の話を静かに聞いていた オレは仕事柄 助けられないなんてこと 茶飯事だぜ だがな お前のその感覚は 忘れちゃいけねぇんだ オレだって …
ダンジョウは ニヴィタシィと スパーリングを行う ダンジョウは ニヴィタシィから メリケンサックのようなものを 手渡された なに?これ アメリケン用の勾玉さ ボクシングで言う グローブってやつだな え グローブってもっと大きくて 保護してくれる感じじゃ…
タヅクリはひとり街を彷徨っていた ダンジョウもテンムスも どこへ行ったんじゃ 毎回ワシを置いてけぼりにするんじゃ ニヴィタシィの治療を受けた タヅクリだったが 目が醒めると ニヴィタシィの診療所ではない 見知らぬ場所へ寝ていた かろうじて 大切な勾…
というわけで テンムスはナイトクラブ ニュー・ヨーグルへと 足を運んだのであった なかに入ると ショーの真っ最中だった テンムスは そのままなかへ入ろうとしたが 黒服に止められた お客さま、ここは会員制ですので 会員証をご提示願います "会員証…" 昨日…
昨日のこと プラント総括長シャオビンを 追っていたテンムスは カンローニという謎の男に助けられ 手当てを受けるのだった 調子はどうかな? カンローニはゆったりとした声色で テンムスに語りかけた え、えぇ さっきよりは良いわ ありがとう テンムスはまと…
ダンジョウは都市郊外の 荒野を走っていた ちょうどダンジョウたちが ニヴィタシィ一味に 拾われた辺りだ まだ? まだ走るの? ダンジョウはバテバテだ ニヴィタシィは 自転草に乗って先導している まだまだこんなもんじゃねぇぞ 試合んなったら 予測しない…
ニヴィタシィは 神妙な顔をしながら ダンジョウに向けて静かに言った お前、 この街で地上人であることを 公言でもしてみろ 今に生命を狙われるぞ それどころか 死なせてももらえないだろう 格好の餌食だ 特に日本人なら尚更だ お前は今から オレの隠し子に…