ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

自然体

風を仰いで 水に委ねて 土に立って 木々と話して こころのかがり火 薪をくべて ── 行き交う人々が、忘れてしまったもの。

やさしさの味

やさしさも 度が過ぎると 甘ったるくなる また 却って 少なすぎても 辛くなる 真ん中くらいが ちょうどいい ── 見返りなんて、求めちゃいけない。

ノンフィクションはフィクション

ノンフィクション という名のフィクション この世界は偶然という名の 必然でまだ成り立っている ノンフィクションという 言葉が本物になるように 偶然が本当の偶然になるように ぼくらは運命を切り拓いて 行かねばならぬ ── この物語は、フィクションです。

スクリーン・テスト Ⅰ

本当は 空なんてもの無くて 今晩の月も 透明なスクリーンに 貼り付けた 視力検査みたいな ものなのだろう ── 天蓋を外したら、顔を覗かす誰かさん。

半人半霊

わたしが本当のことを言うと 冗談に聞こえてしまうらしい わたしが冗談を言うと、どうやら 本当のことに聞こえてしまうらしい このまま一層のこと 入念に考えた冗談の物語を みんなが事実と受け止めてくれたら どんなに楽なことだろう わたしの世界は救われ…

ノスタルジック・セラピー

かつてそこには暮らしがあった 街の外れの小さな廃墟は 時代の砂に埋もれた いつかの夢の跡 ── 流れた時間の、わすれもの。

イルミナ帝国の陥落

ぼくらの困った顔を見て 楽しそうな笑顔浮かべる 負の感情を食べて生きる 彼らは可哀想ないきもの もうすぐみんな手を繋ぎ 負の感情足す負の感情の プラスパワーを創り出し 彼らの潜む立派なお城は 静かに崩れて影を潜める ── 何事もなく、世界は変わる。

ヤサの使者

わたしがやさしくなれないときは あなたがやさしさ分けたげて あなたがやさしくなれないときは わたしのやさしさ分けたげる ── みんなが忘れた頃に、いつでも側にいる。

パズルのピース

あなたの身勝手な行為は やがて文明をも滅ぼす ── 誰かへのやさしさ、忘れないで。

星の砂浜

ここに拡がる砂粒と 同じくらいの異世界が 隣に並んで続いている ── 今の連続、未来への選択。

天気予報

これはつまり文字通り 予言ではなく予報である 当たる当たらないの話ではなく 必ずそうなるということだ 季節外れの雪が降っても 予報の通りに降らせたのだ 最早人類は天変地異をも 引き起こせるのだ 神にでもなったつもりだろうが 自然の摂理に反するものは…

輝月

当たり前になってしまうと 気がつかないことがある 最初は当たり前ではなかったことも それが当たり前になった途端 己では気がつかなくなるのである 目が見えなくなるように 月が雲で覆われるように 自分の習慣になっていることさえ 気がつかなくなってゆく …

トリカゴの星

未知は人を惹きつける ただ、知らないのは 我々だけなのだ この星以外の生命体は 宇宙が何であるのかも 自分が何者であるのかも よぉく知っている 知らないのは 我々だけなのだ ── ぼくらは、籠のなかの飛べない鳥。

メロウ・D

未知なる場所に 満ち満ちている 誰もが知っている 確かな音色 ── 遠くの星が、震えた音色。

螺旋

収束しつつ 増大している あらゆる形の基本形 ── 無限のエネルギー、循環の法則。

変身

あなたは あなたのままでいて あなたのままで あなたに変わって 知らない誰かに ならないで 喩え見かけが 違っても あなたを感じる あなたでいて ── 作り変わる、魂を感じて。

圧縮

大きく散らばる エネルギーより 小さくまとまる エネルギーなら 威力は数倍 数万倍 ── 小さくまとまる、大きなエネルギー。

夢で見た場所

今夜夢に出てくる場所は 知らない誰かの生きた証 ── 今日は、どんな夢を見るのだろう。

ループ

ここは誰かの頭のなかの世界 誰かの頭のなかの世界に居る あなたの頭のなかにもきっと 誰かの住んでいる世界がある ── 無限に繰り返す、パラレルワールド。

セーブポイント

あなたが眠りに着いた頃 あなたを操作している あなたの知らない誰かも あなたと同じく眠りに着く ── 決して、出会うことのないプレイヤー。

所有物

どこぞの組織が などではない この世界こそ 悪魔の作った ものなのだ ── 支配は、永遠には続かない。

最後の晩餐

食事の回数にも限度がある 食べ過ぎてもお腹がきついし 食べなさ過ぎても動けない 丁度いい塩梅があるのである そうこうしているうちに 最後の晩餐 ぼくらはあとどれくらい 食事が出来るだろう ── わずかな幸せ、噛みしめて。

飛行機雲

遠く流れる一直線 徐々に徐々に垂れ下がり はらはら地上へ落ちてゆく 雲なら空へ 浮かんでいるはず 今日はどんな 病気が撒かれたのだろう ── 下を向いて歩いたら、気づかない事実。