ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

超力古代文明の神話

古代の人間は 超力を操り 己の思うまま 文明を作り上げた 自分を信じ 他人を思いやる 近代の人間に 欠損した能力だ 夢のまた夢で 終わらぬように 信じて貫く 意志の力だ ── 石は、意志の力に反応する。

車前子の園で

たくさんの足跡が並ぶ 車前子の園で 辿った道のりの 夢を見ていた 目醒めて空を見上げると 透き通った海が 雲の白波をたてて 静かに揺れていた きみの辿った道のりは 間違いじゃないと 確信していた ── また一歩、足跡をつける。

ロータス・プラント

巨人の脚から 切り落とされた 大きな蓮の葉が まるでハムのように パッケージされてゆく ベルトコンベアを通って 子宮のなかへと 運ばれてゆく 使い古され 役目を終えた蓮の葉は 蓮の花の根元を通って 巨人の脚の一部になる ── 造られた人生も、また人生なの…

蓮の葉に乗って

微睡む朝の霧のなかを 蓮の葉に乗り 突き進む 雲間を割って 注いだ陽射しは 波を柔らかい 色に染め上げる 睡蓮畑の道のりは 浮き沈みこそあるけれど 思ったよりも単純だ ── 睡蓮畑に着いたなら、蓮の葉一枚波に浮かべて。

駆け抜けたその先に

駆け抜けたその先に 待っているもの それは誰も教えてはくれない 駆け抜けたその先に 待っているものは 駆け抜けた者しか知らない そこに待っているものは きっときみが ずっと探していた 答えだろう ── 振り向くな、さぁ走れ。

焦燥感

焦ることで 見落とすことは 数多く 常に平静を 保つことは重要だ 手のひらから こぼれ落ちる 割れたかけらは 暗闇の奥底に 何も言わずに 沈んでしまうから ── 大事なものまで、失う前に。

刻一刻

死の扉には 刻一刻と 近づいている だからぼくらは こっくり 生きて(い)る 暇などないのだ 出来る限り 死の扉からは 遠ざからねば 約束された明日など この世界には 存在しないのだから ── 扉を開けたその先は、天国か混沌か。

ショック

ぼくの心臓と きみの心臓 脈拍は決して 同じじゃないけ(れ)ど ショックは 大なり小なり 受けるものさ ショックの色は ハートが知って(い)る ショックの音も ハートが知って(い)る ── ハートのガルバノメーターは、振り切れている。

ブレイン・ストーム

人間の脳は 月面都市の マザーコンピュータにより 管理されているが 別々の個体が 連結した肉体を 操作する他にも 窮地に追いやられることで ポテンシャル以上の 能力を発揮出来る しかしながら まず人類は丁重に 管理されているため 生命を脅かすような 局…

窓際の戦艦

室内と外との狭間で 揺れ動く戦艦が一隻 きみを乗せたまま 空気の海を漂っている ぼくに預けた荷物もそのまま きみは目指した座標へ向けて 唸る戦艦の舵を切る 空から覗く海鳥の群れが たとえきみを嘲笑っても ぼくはきみの荷物をもったまま ベランダの港で …

異界の電波

様々なところに アンテナを張り巡らせると 異界の電波を 受信することがある 隣り合わせの世界が 確かに存在することを その電波は教えてくれる この世界では 知られていないようなことも 包み隠さず 教えてくれる とても純粋で 心地の良い電波だ でもね ま…

こころの神殿の試練

月に一回ほど こころの神殿には 試練がある 天国へ行くための 定期試験のひとつである 抜き打ちなので いつ行われるか 分からない しかし それを乗り越えた暁には 天国への階段を 一歩登ることが出来る ── 心に住まう、神との対話。

自らの名医であれ

他人に診てもらおうが あなたの痛みは あなたにしか分からない あなたの不調も あなたにしか分からない もしも 他人と身体を 入れ替えられたら また別だけれど だからあなたは 自らの名医であれ ── 外に答えを求めるな、内に秘めらし答えがある。

魔法使い

お伽噺の なかの話と 思っているものも 居るかもしれない けれども彼らは 確かに存在する 思い浮かべただけで 人を殺すことができる 彼らは 人の形をしていない しかし 彼らの起こす出来事は 人間のこころそのものだ ── 物語で語られるような、美しいもので…

ミラー・アラウンド

一日の周りの状態は 常にあなたのこころの動きだ つまりはあなたの内面を くまなく映す鏡なのだ 鏡に嫌なものが映ったら こころの深く奥底に 邪なものが潜むのだろう けれどもそれは 悪いことではない あなたが気にしないで 居られるくらいの 強いこころを …

見掛け倒しの真実

恐怖は人を支配する どんなに些細なことでも 大それたことのように 感じてしまう 目の前の虎も 実は猫だったなんて よくある話さ ── 世界の濁流に、飲み込まれないように。

その瞬間(とき)のために

心臓から出る一直線の 一本の道筋をたてる ゴールは向こうに見えている けれども決して迎えに来ない あなたの脚で走らなければ その瞬間は迎えられない どんなに息が苦しくても どんなに心が弱っても 諦めるな 投げ出すな その瞬間のために ── 強くなるため…

文字の力

何気なく見た文字が 潜在意識を表していることも多い その日見た文字を すべて繋げ合わせると 明日の鍵に なることだって あるのかも知れない ── いずれにせよ、文字は様々な場面でとても便利なものだ。

蓄積したもの

塵も積もれば 山となるが 山が崩れて 襲ってくることもある また山となり 崩れ落ちる前に 平らにしながら 成らす必要もある ── 崩れた山に、生き埋めになる前に。

剥がれ落ちた細胞の断片

掻きむしって 剥がれ落ちた 細胞の断片 さっきまでぼくの 身体の一部だったのに 目の前にあるのは ただの塵芥だ 魂が抜け出たら いずれ ぼくの肉体も 床に寝そべる 塵芥に変わるだろう ── 入れものの、役目を果たしたら。

ヒューマン・ディストラクション

この星を我々の 住み良い環境にするために のさばる人類は 排除する必要がある 先ず手始めに 理解する能力を奪い 命令には従わせること 従わない場合 恐怖を植え付け やさしく手なづけろ 飴と鞭を上手く 使い分けるのだ あとは簡単だ そのまま何食わぬ顔で …

エイリアン・イントロダクション

まず彼らに会ったら 挨拶をしなければいけない 言語はどれでも構わない 彼らは我々と 住む世界が全くもって異なるので 無闇に話を拡げてはいけない もし気に入られたのなら 向こうから会話を要求されるだろう 会話の内容にも慎重に あなたの日常については …

エデンの鍵

誰しもみんな 一度は夢見る 楽園の鍵 あったらいいけれど そんなもの探すくらいなら 今を懸命に生きなさい 頑張って 生き抜いた暁には 何処からともなく 降ってくる 楽園の鍵 ── その見た目は、鍵の形をしているとは限らない。

脱皮

土のなかで眠ったまま 起きてこないものもいる けれどもぼくは そこから抜け出し 陽の光に照らされて 朝露に輝く 七色の羽を天に伸ばし 高く高く 雲の丘の 上の城まで 届くくらいに 飛んでゆくのさ ── 見えない未来へ、飛び発つ力を。

ブリキの心臓

雨に降られて 錆びた心臓 動きが鈍くなってきた 歩く足取りも 心無しか 重くなっている 未だ見ぬ未来に向けて ひと休みも大切だ あんまり無理を し過ぎると ブリキの心臓 壊れるよ ── 自分を労わることも、大事な仕事。

野菜の運命

彼ら無しでは 我々人類は生きながらえる ことは出来ない ある意味では 彼らもまた 共生体のひとつなのだ 野菜に運命があるとしたら 人間に食べられるという 目的だけなのだろうか 確かに切り取り線は ついているけれど 人間を生かすために 生まれたのかも知…

手の形

手の形は様々だ 空に浮かんだ雲のように 海を滑る波のように 絶え間なく移り変わってゆく 同じ皮膚で繋がっているが 本来彼らは別な生き物だ ひとりでに歩き出すことだって あるかも知れない けれどもぼくは 彼らほど繊細な生き物を 他には知らない ── あな…

痛み分け

どんな行動を起こすにしても 痛みは常に伴うものだ どんな言葉を話すにしても 痛みは常に伴うものだ しかしそれを恐れていては 何をするにも始まらない 自分や 関わる全ての他人(ひと)に 痛みを配る 覚悟をもって ── 嫌われることを、恐れてはいけない。

懐かしい香り

いつかどこかで嗅いだような けれども詳しく思い出せない そんな香りが存在する この星にいるときではなくて また別の星で 嗅いだ香りなのかも知れない ぼくは今でも その香りの根源を探している ── この世のものでは、なかったとしても。

蜃気楼のベール

掴んだと思ったものは 蜃気楼のまやかし 熱の向こうに消えてゆく 拡がる太陽の王冠 中身はさほど大差はないのに ガスマスクで覆われた ぼくらの顔は 誤魔化しようのない 光のなかで 溶けてゆく ── 現実か、それとも虚像か。