ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

沸騰する螺旋構造

細胞から細胞へ 細胞壁を飛び越えて 次から次へと 記憶は印刷されてゆく ひとたび口から出た嘘が 歯止めも効かず 流れるように 身体に入ったその嘘も 次から次へと 流れゆく 全身を巡る 真っ赤なマグマは 冷たい顔で 郵便物を届けて(い)る ── 肝心の中身は、…

壊れたかけらも抱きしめて

きみが落としてばら撒いた こころのかけらを拾い集めて 涙の糊で繋ぎ合わせる 胸の扉を静かに開けて 神殿の奥深くへ仕舞う しばらくそのまま置いといて 糊が乾けば またきみに返しにゆくさ ── こころの不法投棄は、絶えず続く。

第六感

行き交う人々の 合間を縫って 今日も彼らは交錯する 張り裂けそうな こころの叫びも 差し伸べられた 温もりのない手も あなたはすべて 存在しないかのように 通り過ぎてゆく 見えないものは 存在しないなんて それこそが迷信 なのだから ─ あなたが忘れてし…

裏打ち

しっかり裏打ちされたものは 光に透かしても透けることはない 裏打ちの甘いもの 裏打ちのされていないものは 光に透かすと薄っぺらいことが 丸分かりだ 光の正体がなんであれ ものごとは入念に 組み立てる必要がある ── 白日の下に晒されて、露呈する設計図。

まどろみの森で

深い深い森のなかで くたびれ切り株に 腰掛けていたら 泉の香りを纏った蝶が 音も立てずに飛んできた 色鮮やかな複眼からは 想像も出来ないほどの 溶鉄の涙が溢れ出し たちまち先ほど わたしの落とした 鉄の斧へと 変わってゆくのであった ── それでもあなた…

金羊毛の絨毯

朝焼けに輝く 金羊毛の絨毯 踏みしめた温もりは あなたの腕のなかと どこか似ている 月が昇り 眠りにつくまで わたしはこれから 金羊毛を探す 旅に出る ── 欲しいものは、いくらでも。

無限

人間から湧き出る 想像力は まさしく無限大 頭のなかには 宇宙と繋がる扉がある 宇宙旅行だ なんだとか こんなことを 言う前に あなたの頭のなかを 覗いてごらん 幾千億と煌めいた 星のかけらを 見ることができるよ ── あなたの宇宙への扉は、開いているか。

有限

人間が創り出す 物理的なものには 限りが在る 食べ物も腐るし 陶器も壊れる それらの 限りある時間を いかに引き延ばすかは あなたの手腕に かかっている ただ 間違っても 禁忌は冒しては いけない ── 有限を、無限に変える力。

宝の持ち腐れ

お宝というのは 使いようによっては 輝きもするし くすみもする 使いにくいと 手放してしまったものが 伝家の宝刀だったなんて よくある話さ 反対に 使い込んで 一層輝きを増すなんて 代物もある ── あなたの宝物は、輝いているか。

宝探し

探している最中は 気がつかないけれど あなたの探しているものは いつもすでに 手元に在ったりするものさ ── 夢中になると、見えなくなるもの。

終わりの始まり

始まらないと終わりすら来ない しかし終わりもまた始まりの合図だ 見慣れた日常に終わりを告げて 新たな未来へ一歩踏み出す きみにその勇気はあるか きみにその覚悟はあるか ── 古びたアルバムの、1ページになる前に。

プロセス

始めと終わりは重要だけれど 最も重要なものは そこに至った過程であり 何かを説明するには 抜かすことの出来ぬ代物だ 手品で言えば 見えない箱の中身であるが 自分で行ったこと以外 調べなければ 知ることは出来ない 知ることは勇気のいることだ その箱は …

他人

自分以外の世界の人々 あなたの考え方次第で 良くも悪くも干渉する 家族や友人だと言ったって 結局のところ他人であることに 変わりはない その人は自分ではないのだから ── それでも、魂は繋がっていたい。

自分

かつて我々はひとつの意識だった そこから切り取られたそれぞれの意識 それが自分という名前の存在 意識は雲のように散りばめられて 生まれ堕ちるときに ちぎって身体に埋め込まれる 人々は 本来あるべき姿へ 戻ろうとしているのかもしれない けれどもそれは…

圧倒

自らの知識量以上のものを 見せられたり聞かされると 人間は思考することを 止めてしまう そこから先は もぬけの殻だ 思いのままに操作され いつしかあなたは 自分を見失う 見失うどころか あなたですら なくなっているのだから ── 常に思考の網を、張り巡ら…

グラファイトの光線銃

拳銃よりも マシンガンよりも 素早く目標を仕留める 光線銃 撃たれたことも 気づかぬうちに この世界の 真実を知る ── それは、いのちと引き換えに。

わかりあえたら

人間どうし どうしてこんなに わかりあえないのだろう ぼくらわかりあえたら どれだけ素晴らしいだろう 頭蓋骨で塞がれた テレパシーでさえ受信して きみの脳へと 直接話を出来たら どれだけ素晴らしいだろう ── そんなこと、出来るわけないと言っているから…

傷だらけのハート

誰が何と言おうとも ぼくの選んだ道を進む 脈打つ心臓が 傷だらけになっても ぼくの信じた方へ向かう 過ぎゆく過去を捨てながら 身体から離れてゆく 大切なものに別れを告げて ぼくはこの脚で歩き続ける ── どんなに引き裂かれようとも、どんなに打ちひしが…

平行線

いつにも増して交わらない 交わることない平行線 きみに伝えた言葉はすべて 紛れもないぼくから出た言葉 全て弾かれてしまったとしても 落ちたかけらを拾い集めて また新しい言葉を生み出す きみの魂が震えなくても 震えるときまで ぼくは紡ぐさ ── 生み出し…

バビルベルボトム

雲を突き抜け聳え立つ バビルベルボトムを見ていた 幾万の屍の上に 佇む出立ち 圧巻だ 裾をハサミで切ってみた 雲の上から 見たこともない形相で はじめて見る顔 こんにちは 未知との対話は ぼくを自由にしてくれた ── 自由と引き換えに、手にするものとは。

鷺石

あなたはきっと神さまです あなたはわたしの神さまです その手の力で わたしの病気を治してくれます そのお優しき御言葉は わたしを楽にしてくれます あなたの出したお薬ならば どんなものでも飲んでみせます あなたの行う治療なら どんな痛みも耐えてみせま…

黒い世界

陽の光も当たらないような 黒い世界は存在するか 草原すらもどす黒い 黒い世界は存在するか 住人たちは泥で出来た 紛い物の食事をし 土で出来た住居を構える おまけに石油で出来た 服を纏って 砂利の通貨を消費する わたしはそんな世界を 知っている とても…

魔女狩り

犯罪だけが罪ではない 知らないことも罪なのだ 知っているのに 知らないふりをすることも また同じように罪なのだ それらは全て 燃え盛る十字架に架けられ 断罪されるべきなのだ 自由という名の 仮面を被った 不自由な世界にのさばる 魔法の使えない 魔女た…

自己再生

自分の身体の状態は 自分がいちばん知っている 治せるものは 己のちからで あなたがあなたの 名医であれ 治ると信じる 自己再生 ── 信じるちからは、なによりの特効薬。

白い砂の下に

白い砂の下から 埋没した絵を 掘り出している それはどこか 化石にも似ているし 未来を描いた 図とも言える 深く深く 掘り進めると 次第にそれは 色濃く波立つ ── 見たことのない景色が、埋まっている。

サルベージ

深い深い 宇宙の海原 潜りながら 探して(い)る 古代都市の 遺跡ではなく 砂に埋まった 金貨でもない 錆のついて なにかも 分からなくなった 扉を開ける 鍵を探して(い)る ── それは必ず、あなたのなかにある。

壁を壊したその先へ

きみのこころに聳え立つ 分厚い壁を破壊したなら その先に待つ未来はまるで きみの思うまま 感じるままさ この壁を壊して未来を掴むか 諦めて壁のなかで死にゆくか どちらがいいかは きみが決めることさ ── どちらに於いても、後戻りはできない。

人間であるということ

あなたには 悩める脳があって 映せる瞳があって 唱える口があって 覚える鼻があって 集める耳があって 救える手があって 歩ける脚があって 思える心があるのだから ── 人々が、忘れがちなこと。

いくつになっても

いくつになっても あなたはあなたのままでいて 誰かのために あなたを捨てることなんて そんな悲しいことはしないで いくつになっても あなたのやりたいことをして 年甲斐もなくと 思う必要なんかないんだよ いくつになっても あなたはあなたを愛してあげて …

明日になったら

明日になったら変わるだろう 明日になったら良くなるだろう そんな戯言いって(い)るようでは 明日になっても何も変わらない 今のあなたがどう動いたかで 肝心の明日は変わるのだ 明日に理想を押しつけるな 今の選択を怠るな 一瞬一瞬の場面が 明日へ続いて並…