2021-07-27 窓際の戦艦 室内と外との狭間で 揺れ動く戦艦が一隻 きみを乗せたまま 空気の海を漂っている ぼくに預けた荷物もそのまま きみは目指した座標へ向けて 唸る戦艦の舵を切る 空から覗く海鳥の群れが たとえきみを嘲笑っても ぼくはきみの荷物をもったまま ベランダの港で ずっと待ち続けているよ ── それは、何とも戦わぬ戦艦。