ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

ニヴィタシィのパンチ【17-3-2】

バツン!

何かを裁断したような音が

辺り一面に拡がった

 


 〜〜〜!

 


ニヴィタシィのパンチを

一撃食らって

悶えるダンジョウ

全身が痺れていた

 


 ニヴィタシィさんは

 なんでこんなに強いパンチが撃てるのに

 試合に出ないんですか?

 

 

 

 オレは右目が見えねぇんだ

 試合中に負傷してな

 失明しても、心力で補えるやつも

 いるようだが

 オレにはその才能は

 からっきしなかった

 オレにはグローブを作ることしか

 才能がなかったんだ

 


 やっぱり

 そういうリスクもあるんだ…

 でも心力には

 そういった使い方もあるんだね

 


ニヴィタシィは

自分の過去を聞かされて

この少年が落ち込むと思ったが

何故だか

却って勇気をもらった気がした

 


── まるで鋭い針、地底帝国の詩。