バツン!
何かを裁断したような音が
辺り一面に拡がった
〜〜〜!
ニヴィタシィのパンチを
一撃食らって
悶えるダンジョウ
全身が痺れていた
ニヴィタシィさんは
なんでこんなに強いパンチが撃てるのに
試合に出ないんですか?
オレは右目が見えねぇんだ
試合中に負傷してな
失明しても、心力で補えるやつも
いるようだが
オレにはその才能は
からっきしなかった
オレにはグローブを作ることしか
才能がなかったんだ
やっぱり
そういうリスクもあるんだ…
でも心力には
そういった使い方もあるんだね
ニヴィタシィは
自分の過去を聞かされて
この少年が落ち込むと思ったが
何故だか
却って勇気をもらった気がした
── まるで鋭い針、地底帝国の詩。