ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

筋力トレーニング【17-1-3】

テンムスが

オーディション会場に着いた頃

ダンジョウは…

 


ぼぼぼっ…バシュ〜っ!

 


 で、出来た…!

 


遂に心力グローブの作り方を

体得したのだった

 


 やるじゃねぇか

 やっとスパーに入れるな

 と言いたいところだが

 現チャンピオンは

 なかなかの素早さだ

 そしてウエイトもあると来た

 体重移動をグローブに

 そのまま乗せることで

 破壊力を倍増させるんだ

 生半可なガードじゃ

 却ってダメージになっちまうぜ

 


 じゃあどうすれば良いのさ

 


 オレがとっておきの秘策を用意してるから

 先ずは身体造りからだな

 そんなヒョロヒョロじゃあ

 簡単に骨が折れちまうぞ

 


ダンジョウは

ニヴィタシィに連られて

ある場所へやって来た

 


 ここは?

 


 オレの秘密の特訓場だ

 ウエイトトレーニングの機器が

 より取り見取りだぜ

 


ニヴィタシィは自慢げに言った

まるで子どものころに遊んだ

アスレチックのような器具が

たくさん置いてあって

ダンジョウはなんだかワクワクした

 


 す、すごい…!

 これ全部トレーニング出来るの?

 


 あぁ、そうさ

 先ずは下半身のメニューからだ

 アメリケンに於いて

 体幹はチョー重要だからな

 

ダンジョウは

バーベルスクワットから始めた

 


 うわ…これ実際にやるの初めてだよ

 


機器の一切は石造りだった

しかしながら精巧に出来ており

安全性も問題なさそうだ

 


ダンジョウは

5kgの重りを両サイドにつけ

バーを担いで腰を下ろした

 


 おい、どうした?

 上げてみろ

 


ニヴィタシィは

ダンジョウを鼓舞したが

彼はそのままの姿勢で

固まってしまった

 


 上がらない…

 


 おいおい!

 今までどうやって困難を切り抜けて来たん 

 だよ?!

 


── 運も実力のうち、地底帝国の詩。