ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

ヘビとネコ【16-3-1】

ダンジョウは都市郊外の

荒野を走っていた

ちょうどダンジョウたちが

ニヴィタシィ一味に

拾われた辺りだ

 


 まだ?

 まだ走るの?

 


ダンジョウはバテバテだ

 


ニヴィタシィは

自転草に乗って先導している

 


 まだまだこんなもんじゃねぇぞ

 試合んなったら

 予測しない動きも出てくるから

 持ってる体力以上の体力を

 使うことになるんだからな

 普段から体力づくりは

 怠ってはいけないぜ

 


 そんなこと言ったって

 なんでニヴィタシィさんは

 自転草に乗ってるのさ

 ずるいでしょ

 一緒に走ってよ

 


ダンジョウは息を切らしながら

文句を垂れた

 


 甘ったれるんじゃねぇ!

 その緩んだ気持ちが

 勝負の決着を招くことだって

 あるんだぞ

 引き締めていけ!

 


 "くそぉ〜!うまくはぐらかしたなぁ〜!"

 


この日ダンジョウの体力づくりは

あと暫く続いた

 


一方その宵テンムスは

大都会の片隅にある

ナイトクラブに

足を踏み入れようとしていた

 

 

 

── 泥臭さと狡猾さ、地底帝国の詩。