ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

イカサマ・トレーニング【17-2-4】

ニヴィタシィは頭を抱えていた

 


ダンジョウが思いの外

ウエイトを持ち上げられないこと

 


このままいくとスパー

もまともに出来ないかもしれないと

不安を感じ始めていた

 


 ニヴィタシィさん

 これ、マジできつい

 


レッグプレスのマシンに至っては

重りをつけていない状態で

持ち上げられなかった

 


 "オレはどうすりゃ良いんだ?

 もしかしてマジに触れちゃいけないものに

 触れちまった気すらあるぜ

 いや、オレはいつでも

 自分を信じてここまで来たんだ

 オレならやれるさ"

 

 おい、ダンジョウ

 分かった

 やり方を変えよう

 ちょっと試合中の負担は増えるだろうが

 お前にゃあきっと、

 とっておきの方法だぜ

 


ニヴィタシィは

薄ら笑いを浮かべて

得意気にダンジョウに言った

 


 お前の心力を信じて言うぜ

 常に前回で出しておけ

 グローブを作った時に感じだが

 きっとお前の心力が

 底を尽きることはないのだろう

 ただその前に身体が

 悲鳴をあげるだろうから、消耗戦だ

 なけなしの筋力を

 心力で補うんだ

 


── 元経験者の名案、地底帝国の詩。