ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

タイトルマッチ決定【17-4-3】

 

 

 

ニヴィタシィのアメリケンジムにて

ダンジョウは鏡の断片が組み込まれた

チャンピオンベルトを奪還するために

厳しいトレーニングに打ち込んでいた

 


すると突然、ニヴィタシィが

バタバタとジムに入り込んできた

 


 おい、ダンジョウ!

 チャンピオンからのタイトルマッチの

 挑戦権を取り付けてきたぞ!

 


 えぇ?!

 そんな簡単に出られるんですか?!

 


 バカヤロウ!

 オレがどんだけ苦労したと思ってやがる!

 街中歩くのだって

 一苦労なんだぜ?!

 幾らオヤジが警察とズブズブだからって

 下っ端のヤツらはそんなこと知らねぇから

 マフィアと分かるなり

 一目散に追って来やがるんだ

 オレは厄介ごとが嫌いだが

 抱えた厄介ごとが解決する厄介ごとなら

 幾らだって背負い込んでやるぜ

 


 すいません…なんか

 


ダンジョウは

ニヴィタシィの話を聞いた途端

なんだか申し訳なくなって来た

 


 バカヤロウ!

 そんなしけた顔してんじゃねぇ!

 そこはありがとうございますだろうが!

 謝ってんじゃねぇよ!

 


ニヴィタシィは話した勢いのまま

少しヴォリュームを上げて

ダンジョウを叱責した

 


 んで、チャンピオンって

 どんな人なの?先ず人間?

 


 あぁ、辛うじて人間ではあるな

 名前はエイブラソヴァ

 お前と体格はさして変わらないな

 


 "チャソヴァ"

 


気を失っていた時に聞いた声が

ダンジョウの脳裏を過った

 


 そう言えばチャソヴァって

 誰なんだろう

 


 あ?何ぶつぶつ言ってんだ?

 

 あ、いやなんでも

 


 とにかく、試合まで日がない

 最終調整に入るぞ

 

ニヴィタシィは

ダンジョウに一度背中を向けたが

もう一度向きなおり

 


 でだ!

 確実に相手を仕留める

 必殺技を伝授してやる!

 


 おぉ!

 待っていました!

 


ダンジョウが拍手すると

周りに居たニヴィタシィの子分も

釣られて拍手した

 


── 積み重ねる努力、地底帝国の詩。