ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

ギャングのおカシラ【16-2-1】

ダンジョウとタヅクリ博士は

自転草に乗ったギャングたちに

連れられて街へやって来た

東や西の都市とは

また違った造りの建物が

軒を連ねる大都会だ

 


ギャングたちは

自転草を乗り捨てると

メインストリームから一本外れた

路地裏へと身を潜めた

 


 ヘッド

 荒野にヒトが落ちてやした

 使えるパーツがないか

 見てみていいすか?

 


 おいおい

 荒野にヒトが落ちてることなんて

 あるのかよ?

 珍しいにも程があるぜ?

 どれ、女か?

 


 いえ、ジジイとガキです

 

 勘弁してくれよ

 流石にムリがあるぜ〜

 …ん?

 ふたりとも怪我してないか?

 ガキに至っては

 結構な火傷だぞ…?

 鼻血も出まくった形跡がある…

 おい、お前ら!

 処置もせずに引き摺り回したんか!

 バカタレが!!

 殴って無理やり連れて来たり

 してないだろうな?

 


 す、すいやせん!!

 そんなことしてやせんぜ!

 鼻血は倒れてた時から出てやした!

 


 ったくよ〜…オレが医者じゃなかったら

 ガキはとっくに死んでるぜ

 久々の仕事だ…

 処置すっからお前ら手伝えよ!

 しゃあねぇから、

 ついでにジジイも手当すっぞ!

 


ヘッドと呼ばれている男は

どうやらかなりの腕利きのようだ

ダンジョウの負傷の状態を

瞬時に見極め処置に移った

 


── 奇跡の腕を持つ男、地底帝国の詩。