ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

団欒件欄【13-3-1】

うまそぉ〜

ダンジョウの目の前には

ありとあらゆる料理が

テーブルいっぱい

敷き詰められていた

どれも見たことあるようで

初めて見るものばかりだった

いただきます

なにそれ

呪文か何か

ウナージュが

聞き慣れない言葉に

疑問を持った

いっつも聞かれるんだけど

これはぼくのいた国の

食事をするときのあいさつなんだ

まぁ呪文と言っても

間違いじゃないかな

食事を美味しくするための

感謝の呪文だね

感謝の呪文ね

面白いこと言うわね

では私も

イタダキマス

ダンジョウはまず

目の前にあった

不思議な球体に手を伸ばした

ちょうど手のひらサイズだ

これなんだろう

巾着のように

口が結ばれている

ひとくち口に入れてみると

口のなかで

球体が弾けた

するとなかから

スープのようなものが

とろりと出てきて

口いっぱいに拡がった

ちょうどパイタンスープの

ような味だ

美味い

外の球体はどうやら

軟体動物の肉のようだった

次は螺旋状に綺麗に

並べられていた

麺類のようなものが

気になった

焼きそばか何かかな

箸で束を引き上げて

口のなかへ運んだ

焼きそばのような味だが

麺のなかには

たらこのような食感があった

テンムスこれなに

それは虫の卵よ

げっ

まじかよ

栄養満点なのよ

そういう問題じゃなくて

ははははは

その後少年はも色んな食事に

舌つづみしたのであった


── 楽しい食事は豊かなこころを育む、地底帝国の詩。