ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

至繁華街【13-2-4】

追い出されちゃったね

プラントに関しては

世界機関だから

我々国家権力では

太刀打ち出来ないのは山々だな

芋づる式に

証拠を手繰り寄せるしかない

コヴは呆れたように

笑みを浮かべた

気晴らしに

繁華街にでも行くとするか

警部補何を言って

遊んでいる場合じゃないですよ

まあまあそんな怖い顔するな

たまには息抜きも必要だ

それにその先で

何か情報を掴めるやも

知れんからな

繁華街

ダンジョウは子どもらしく

浮かれてはしゃいだ

このところ休みなしだったから

たまには

羽を伸ばしても良いかもね

テンムスもコヴの判断に同意した

でも地底の人って

ご飯あんまり食べないんだっけ

こういう時に食べるのさ

明日への活力をつけたい時にね

コヴはやさしく

ダンジョウに説明した

一行はイモムシカーで

繁華街に到着した

まず彼らは

繁華街最大の

食堂へと足を運んだ

すごい

食べ物がいっぱいだ

ダンジョウは

はしゃぎっぱなしだ

おれお金とか持ってないけれど

どうすれば良いんだろう

そんなものここでは

必要ないわ

勾玉を出して

心力を渡すの

大変そうな人には

こうやって

テンムスは輪っかを出して

大変そうな人へ

渡してあげた

見るからに元気になったようで

また生き生きと調理を始めた

なんだか良い街だね

活気は人と人とが

助け合って生み出されるんだね


── こころにはこころをもって、地底帝国の詩。