ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

車両芋虫【13-2-1】

コヴとウナージュ

ダンジョウたちは

署を後にして

早速捜査へ繰り出した

外に出ると

ウナージュは

イモムシ型の車を

起動させた

うわ

なにこれ

車なの

ダンジョウが

気持ち悪そうに

それを見た

馬鹿にしないでよ

これでもれっきとした

マシンなんだから

彼女は半度丸をふたつ併せて

勾玉の形に戻すと

それをハンドルにして

操作を始めた

外から見ると

イモムシカーは

タイヤの代わりに

腹をウネウネさせている

ダンジョウたちは

後部座席に

コヴは

助手席で推理を始めた

今までのケースを考えると

帝国側の副官とやらは

鏡のある施設や

その近くの場所に居たようだな

東の都市のケースに当てはめると

都市を代表する企業に

潜伏していた

この都市では

そのポジションは

プラントだ

この国はこのプラントによって

生活が成り立っていると言っても

過言ではない

現に西の都市では

溶岩生成プラントによって

光熱費などの生活費は

タダも同然であったのだ

可能性はあるね

ダンジョウはそう思った

プラントへ向かうわ

ウナージュは

心力のアクセルを踏んだ


── 怪しい場所をしらみつぶしに、地底帝国の詩。