ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

待ち人の名前【11-3-3】

ダンジョウは

シソウメ特製の

サンドウィッチを平らげた

お茶でもいかが

シソウメは

薬草のお茶を

ダンジョウに勧めた

ありがとう

うわ

すごい匂いだね

これ

身体に良いのよ

わたしが調合したの

これを毎日飲んでいるおかげで

この歳まで元気に

生活出来ているんだから

ダンジョウは

ハーブティーを飲むと

何か身体のなかで

変化が生じたような

そんな気がした

おいしい

でしょ

あの時も

そんな感じだったのよね

いつの話

ここで

ある女の子と出会ったの

珍しい耳飾りと

珍しい髪飾り

何か探しているって

言っていたわ

テンムス

彼女の名前はテンムスよ

ぶぅぅぅぅう

ダンジョウは

口に含んでいた

ハーブティー吹き出し

ごほっごほっ

えっ

テンムスを知っているの

あら

あなたもお知り合い

それにしては

かなり若いわね

知っているも何も

何というか

おれはいま

その子を探していたんだよ

じゃあ待っている人

っていうのは

テンムスのことか


── 偶然の一致、地底帝国の詩。