ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

半永久機関【9-4-3】

順調に地下空洞を

進んでいた三人だったが

この先の道は

続いていなかった

そればかりか

巨大モグラ

巣になっているようだった

ここで終わりかよ

レーダーでは

もうすぐ北の地

なんじゃがな

困ったものじゃ

ちょっと

出来るか分からないけれど

ダンジョウが

立ち上がって

交信を始めた

まさか無茶よ

あんな巨大なもの

やってみないと

分からないだろ

そう言って

交信を始めた

ダンジョウの目は

星海になり

脳内は完全に

宇宙と繋がっていた

巨大モグラ

ネットワークを手繰り寄せ

そのひとつひとつに

神経を集中させた

今まで行った

どのものよりも

身体にかかる負担は

大きかったが

堪えながらも続けた

眠っていた巨大モグラ

眠ったまま静かに動き出し

ゆっくりゆっくり

爪を動かし始めた

ダンジョウは

至る所から流血していたが

それでも精神ハックを

止めなかった

見かねたテンムスは

ダンジョウの手を硬く握り

心力を共有した

ダンジョウのダメージは

テンムスが頂回復した

よってダンジョウは

精神ハックに集中することが出来た

ありがとうテンムス

口で会話することはなかったが

こころのなかで通じていた

巨大モグラの動きは

徐々に活発になっていった


── 夢のようなエネルギー、地底帝国の詩。