ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

鏡岩と瞑想【6-1-1】

ダンジョウが興奮して言ったが

テンムスは痛みを堪えながら

ここの土地も像を映しているだけだ

しかもただ映しているだけでは

なさそうだぞ

さっきよりも痛みが

増している気がする

病は気からって言うじゃないか

ダンジョウは励ましたが

それでもなお痛みは増すばかり

らしかった

ここで交信をしてもらう

クズキリが後ろを振り返って言った

全員交信出来るまで帰さん

交信出来るまでって

みんな普通に出来るんだろう

ダンジョウが首を傾げながら言ったが

すぐさまホージは

当たり前に出来ることなら

修行ではやらないだろう

しかも全員が出来るまでだ

何かあるに違いないさ

一先ず三人は地に腰を下ろし

目を見開くと

無数の星々が

眼球に映り込んだ


── 待ち受ける苦難、地底帝国の詩。