ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

黄金騎士団の噂話【6-2-3】

街には地上と同じく

道路が走っており

自動車というよりかは

自転車のようなものが

走っていた

しかしながら

自転車よりも

幾らかハイテクな感じがした

遠目でみると

勾玉が前輪の役目を

担っているようだった

皇務の際に来た以来だけれど

結構目覚ましい進歩を

遂げているようね

テンムスが感心すると

軍産複合体企業の台頭で

急激な成長を遂げているようじゃ

タヅクリ博士が横槍を入れた

三人は

少し狭まった路地に

黄金騎士団の井戸端会議を見た

あの鏡

おれたちの手柄なのに

公社が横取りしたみたいだぜ

むかつくよなぁ

やつらが台頭してからと

いうものの

おれたちはいいように

アゴで使われているのさ

聞いたか

いま鏡って言ったぞ

ちょっとここに居て

ダンジョウはいきなり

交信のモーションに入った

一方その頃

ホージは

別のポータルから

東の都市の地を踏んでいた


── 動き出したものたち、地底帝国の詩。