ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

事態の収束【8-3-4】

電磁砲は放たれ

巻き貝型マシンは

木っ端微塵に吹き飛んだ

そんな

ダンジョウがなかに

あなたたちそれでも

人の子なの

テンムスが声を張り上げて

激怒した

おおっと

そんなに怒らないでくれよ

おれだって悲しい気持ちはあるぜ

ただ

ひとりの生命と

上の大勢の生命

どちらを取るか

天秤にかけるまでもないよな

あんなものが地上に出たら

大変なことになる

そしてここでの研究のことも

バレてしまう

証拠は消した

ここには何もなかった

何ひとつな

許さない

我々公社に歯向かうようならば

お前たちもここから

出してはいけないな

またひとつホージは

指をパチンと弾くと

テンムスたちの背後から

改造人間の軍団が現れた

多勢に無勢

絶対絶命と思われたが

瞬時に幾体かが

吹き飛んでいった

まるで烈風のごとき

衝撃波を受けて


── 風は流れを変える、地底帝国の詩。