ダンジョウの耳元では
確かに何者かが
囁いていた
そしてそれは
テンムスとホージの
ふたりに関しても
同じだった
その声は次第に
近づいてきて
恐怖と嫌悪の感情が
三人のこころを
強く蝕んだ
砂金時計は
まだたんまり残っている
ダンジョウは耐え切れず
勾玉を発現させようとしたが
クズキリの言葉を思い出し
思いとどまった
悪口の内容としては
三人の過去のトラウマに
触れるようなものが
殆どであった
そのため
こころを抉り取られる
感覚に近かった
暫く経った頃
三つの小屋の
ひとつから
爆発音に似た音が
聞こえてきた
── 耐え切れなかったのは誰か、地底帝国の詩。