ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

陰険小屋【5-3-4】

ダンジョウの耳元では

確かに何者かが

囁いていた

そしてそれは

テンムスとホージの

ふたりに関しても

同じだった

その声は次第に

近づいてきて

恐怖と嫌悪の感情が

三人のこころを

強く蝕んだ

砂金時計は

まだたんまり残っている

ダンジョウは耐え切れず

勾玉を発現させようとしたが

クズキリの言葉を思い出し

思いとどまった

悪口の内容としては

三人の過去のトラウマに

触れるようなものが

殆どであった

そのため

こころを抉り取られる

感覚に近かった

暫く経った頃

三つの小屋の

ひとつから

爆発音に似た音が

聞こえてきた


── 耐え切れなかったのは誰か、地底帝国の詩。