ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

改造人間の軍勢【8-4-2】

研究棟の設備の奥から

次々と改造人間の軍団が

ダンジョウたちへ向かって

襲いかかってきた

刃人間や恐竜人

魚人間など

地上では見られないような

不気味な形状をした者たちが

多数現れた

ダンジョウはギョッとしたが

やらなければやられるので

鏡の力を用いながら

応戦した

もちろんテンムスやゾニィも加勢した

ゾニィは勾玉を

ホイールのように走らせ

ヨーヨーを操るように扱った

テンムスは勾玉をホバリングさせ

きりもみ回転で軍勢に向かって

シュートした

ダンジョウはこの敵が

元々人間だったことを考えると

とても心が痛んだが

止むを得ないと思った

彼らの魂が報われることを願った

軍勢を片付けると

ダンジョウたちは

ホージとコルネの居る階層へ向かった

巻き貝型マシンの空けた孔から

鏡の断片のあった部屋へ入り

そこから上を見上げた

ホージが立ち去るのが見えた

ダンジョウは勾玉の光を

鉤爪のように繰り出すと

壁に引っ掛けてよじ登った


── かつての友のうしろ姿、地底帝国の詩。