ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

奇妙な壁画【12-2-2】

ダンジョウとテンムスは

タヅクリ博士の待っている

山の中腹に到着した

そこには

洞窟のようなものが

幾つかあった

博士はそのひとつの

入り口に立っていた

ふたりを手招きすると

三人は洞窟のなかへ

入って行った

なかは暗いが

不思議と明かりがなくても

見渡せるくらいだった

これなんじゃが

なんじゃと思う

博士は洞窟の奥にあった

奇妙な壁画を指差した

何だろうね

模様か何かじゃない

壁画にしては

簡単すぎる気もするけれど

ダンジョウが

そこに触れると

壁は少し

光ったような気がした

巨大な球体のような

感じもするね

なんだかわたし

妙な胸騒ぎがするわ

ここを離れましょう

ワシもなんとなくじゃが

そんな感じがしたんじゃ

じゃからふたりを呼んでみた

少し削って

調べてみるとするか


── 遺伝子が訴えている、地底帝国の詩。