ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

突入準備【14-2-4】

 ここに来ていたのね…!

 


 誰?知り合い?

 


ウナージュがとぼけた顔で

ふたりに尋ねた

 


 知り合いではないかな

 同じ釜の飯を食った"仲間"だ…!

 あいつはコルネに

 利用されているんだよ…!

 


ダンジョウは息を詰まらせながら答えた

 


 コルネって…

 コルネインダストリ社の

 コルネ・コロネットのこと?

 東の黄金騎兵隊の資料には

 本社は壊滅したと書いてあったけど…

 


 そうさ

 ぼくたちの仲間のホージは

 今やつと一緒に行動している

 東の都市から

 移動してきたんだ

 


 あなたたち…

 やっぱりウソはついていないようね…

 それにしても

 世界を敵に回し過ぎているわ

 相手はどちらも

 世界的に名の通った組織よ

 そしてその社長が

 マフィア連中と連んでいるとなると

 なにか良からぬことを

 考えていそうね…

 


ウナージュは険しい顔をすると

テンムスが興味本位で聞いてみた

 


 例えば?

 


 例えば…

 


ウナージュが口を開くと同時に

コヴが横槍を入れた

 


 麻薬と武器の取り引き…

 とかかねぇ…

 


 そうですね、その可能性が

 十分高いです

 


 そんなことしてどうするのさ?

 


ダンジョウの

純粋無垢なこころが牙を剥いた

 


 恐らく西は麻薬の流通経路拡大が

 目的だろう

 そして東は企業と街の復興を名目に

 軍事機器を拡めたいのだろう

 これは等価交換だよ

 お互い欲しいものを交換して

 その見返りを手に入れるんだ

 この場合両者の思惑は

 見事に合致しているといえるな

 


コヴの推測が火を噴いた

 


 今はまだ…

 いや、もしかしたらもう拡まって

 いるかもしれない

 誰が糸を引いているか分からんが…

 これが加速すると…

 …確実に戦争が起こる…

 


 長年平和を一貫していた

 地底帝国に

 またあのような悍ましい

 光景が…

 


タヅクリ博士は険しい顔をして

頭を抱えた

 


 そんな…

 やっぱりパウンドだわ…

 わたしがやつに屈したばかりに…

 


テンムスのこころに

錘がのしかかった

 


 テンムス…

 きっときみのせいじゃないよ

 あらかじめこうなる運命だったんだ…

 けれども、その運命のレールは

 ここで断ち切らないといけない

 ぼくらが断ち切らないといけないんだ

 


ダンジョウに無責任感を感じつつも

その曇りのない言葉に

どこかこころを洗われた気がした

 


 そうね、そしたら先ずは

 この地下から革命を起こすのよ

 


ウナージュが先頭を切って

ボイラー室への突入準備をした

 


各々装備を構え

息を呑んだ

 


 さぁ、行くわよ!

 


ボイラー室の扉を勢いよく開けた

 


── 渦巻く思惑切り裂く意思、地底帝国の詩。