ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

抗争勃発【14-3-3】

 さっきから黙って聞いてりゃ

 つべこべ抜かしやがって…

 うるさいハエは食べてしまうぞ!

 


蛮三會の組員のひとりがそう言うと

手の指がビヨンと伸びて

ダンジョウに絡みついた

 


 うわあああ!

 


組員の顔は次第に変色していき

緑色になった

まるで食虫植物のような顔だ

 


 合成人間か…っ?!

 


ダンジョウは精神ハックを開始したが

敵は目が無かったため

失敗してしまった

 


周りの組員の肌も徐々に変色していった

その場に居合わせた全員は

ホージとコルネを抜いて

植物の合成人間だったのだ

 


ホージはダンジョウの

精神ハックを防ぐための

サングラスをかけると

身動きの取れないダンジョウに近づき

耳打ちした

 


 "裏切り者"には気をつけろよ

 案外近くにいるかも知れないぜ

 


 なんだと!?

 "裏切り者"はお前だろ!

 おい!ホージ!どこへ行く!待てよ!

 


ホージはその後すぐコルネを連れて

次元切開チョークを使い

別の場所へと移動した

 


テンムスが勾玉を投げると

ダンジョウに絡みついていた

触手を切り裂いた

しかし植物人間は

更に大きくなっていた

他の植物人間も同様に少し成長した

ウナージュが半度丸を撃ち放すと

植物人間は更に成長した

タヅクリ博士はいつの間にか

ハエトリソウのような植物人間に

捕まっていた

 


 わぁぁぁぁあ…

 助けとくれぇ〜!!

 


咄嗟にパイプを掴んで引き離すと

パイプが折れて蒸気が漏れ出した

タヅクリ博士を掴んでいた植物人間に

その蒸気が降りかかると

断末魔の叫び声をあげて

ドロドロに溶けていった

 


 そうか!

 分かったぞ!

 


ダンジョウはなにか閃いた

 


── 咄嗟の閃き、地底帝国の詩。