ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

水分補給【11-4-2】

シルヴィ

口を開けて

がぼぼ

シルヴィが

口を開けた瞬間

水の精霊が

体内に流入した

あまりに突然の出来事で

シルヴィはかなり

戸惑ったが

思いがけず

ごくんと飲み干した

するとどうだろう

彼女の年老いた身体は

みるみるうちに若返り

思うように

動かせるようになった

シルヴィは

少し脚が痛んだが

物置を出ると

日光を鏡に

集めようとした

しかし

ソファーの父親を見た彼女は

言葉を失った


──光のなかに差す影、地底帝国の詩。