ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

アフタヌーンティー【11-2-1】

おばあさん

ここで合っている

海なんて

ひとつも見えないけれど

あらま

久々に外に出たから

場所を間違えたかしら

でも

潮の香りがするから

間違っては

居ないんじゃないかな

ふたりは

暫く森のなかを彷徨うと

海の見える

崖の上に出た

良い眺めだね

そこは他の場所とは

違った雰囲気があった

遠くに小舟が

いくつか見えたような気がしたが

次の瞬間には消えていた

気のせいかな

さて

ごはんにしましょう

ダンジョウは

ここ最近

ろくなものを

口にしていなかった

最後に食事をしたのは

クズキリとの修行中だろうか

身体は酷使していたにも関わらず

ここまで腹が減っていないのは

あの食事のおかげなのか

それとも時々行う

交信のおかげなのかは

ダンジョウには

まだよく分からなかった

でも

いざ食事を

目の前にすると

ダンジョウの腹は

物凄い音を立ててなった

いつの間に

こんなに作っていたの

わたしは手際がいいのよ

いただきます

あら何そのあいさつ

呪文みたいなものだよ

美味しく食べられるためのね

ダンジョウの手には

チーズとソーセージ

レタスの挟まった

サンドウィッチが握られていた

美味しいよ

とっても

呪文のおかげね


── 食事はこころを豊かにする、地底帝国の詩。