ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

不死鳥の弓矢【5-2-3】

ダンジョウは咄嗟に

負傷したホージに駆け寄り

彼の勾玉光輪を拝借した

それをテンムスに渡すと

テレパスで作戦を伝えた

ゴリラ型マシンの

地面に拳を突き立てる

リズムを観察すると

七回に一回

ワンテンポ挟む動作をしていた

ダンジョウの観察眼は

それを見逃さなかった

勾玉光輪をふたつ重ねて

弓弓を作り

光の矢をマシンの頭部に

当てるというのだ

でもどうやって

七回目の終わったタイミングで

光輪を重ね合わせ

次の七回が終わるまで

心力の矢を充填する

上手く行くかは

やってみないと分からなかったが

一先ずやるしか方法はなかった

七回の攻撃が終わり

ワンテンポ

次の猛攻が来て

しまった

パンチの風圧で

テンムスの持っていた

ホージの勾玉光輪は

持ち主の元へ弾き飛んだ

そのまま縦に構えていろ

ダンジョウが

五発目のパンチのタイミングで

ホージの元へ飛び込んだ

ダンジョウはすぐさま

光の矢を発現させ

ホージの勾玉光輪を

共鳴させた


── 何度でも蘇る弓矢、地底帝国の詩。