テンムスは即座に
勾玉光輪から光の波を
繰り出して
迫り来る帝国軍の傭兵に
応戦しようとしたが
いまの自分の姿から
勾玉光輪なるものを
出してしまえば
余計に怪しまれることは
目に見えていた
ここはおとなしく捕まって
後々様子見と行こうと
テンムスはこころのなかで
作戦を練った
これは男物だな
傭兵のひとりがそういうと
本体が何処かへ潜んでいるぞ
探せ
と分隊長のような人物が言った
ダンジョウヘ
捕まってしまったことを
テレパスで報告した
頭のなかに聞き覚えのある声が
響いた瞬間
ダンジョウの身体のエンジンは
すぐさま起動した
── 助けを求める声がする、地底帝国の詩。