ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

地底都市の全景【2-2-1】

蜂型機械の襲撃を

切り抜けたものの

防壁迷宮を出ると

そこは足場ひとつない

断崖絶壁だった

飛び跳ね機械に乗ったまま

勢いよく降下するふたり

ダンジョウはもう

生きた心地がしなかった

一方のテンムスは

冷静に状況を把握し

事態の収拾を

図ろうとしていた

やむなく飛び跳ね機械を

放棄すると

手に持った勾玉光輪を

鉤爪状に変化させ

壁に食い込ませた

ガリガリ音を立てながら

少しずつ落ちる速度は

軽減していった

テンムスにしがみつきながら

ダンジョウはへっぴり腰で

地底都市の全景を

目の当たりにした

中央には

ピラミッドのような

巨大な建築物が

腰を据えており

そこを中心として

放射状にさまざまな建築物が

軒を連ねていた

ふたりがゆっくりと

地面に足をつけると

少し遠くで

飛び跳ね機械が落下して

破壊した音がした

テンムスの表情が

少し曇った


── 眼前に拡がる風景、地底帝国の詩。