ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

砂金時計の客間【5-3-2】

束の間の休息は

クズキリの一言で

終わりを告げた

次はこの耳当てをつけて

暫く過ごしてもらう

勾玉光輪を

各自持っていてくれ

三人は耳当てをつけ

次の授業であろう

準備を整えた

ダンジョウは

テンムスへ勾玉を

返していなかったので

例を添えて返却した

ダンジョウの勾玉は

なかったので

クズキリは壁に

立て掛けてあった

適当なものを

ダンジョウヘ渡した

同じ武器でも

色んな模様があるのだと

ダンジョウは思った

そこで三人は疑問に思った

暫くとはいつまでなんだろう

クズキリは皆が思っていたことを

察したのか

暫くとは部屋にある砂金時計が

落ち切るまでだ

砂金時計は地上でいう

砂時計のようなものだ

砂金って高いんじゃ

地底じゃそこら辺に

散らばっているのよ

テンムスが何故か自慢げに言った

ただし

部屋を破壊したら

罰が待っているぞ

奥に小屋に繋がる通路があるから

各々別々の部屋に案内する

何の変哲もない客室へ

通された三人は

修行と言っても案外楽だと思った

ただ部屋を破壊するほどの

何かがあるのだろうか

地底の明るさは微光程度で

昼なのか夜なのか

まったく分からなかったが

ダンジョウはとても疲れたので

布団に入って眠りに就いた


── 明日のための活力を、地底帝国の詩。