ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

一時休息【5-3-1】

ダンジョウが機転を利かせたことで

三人の休息が確約された

奥の小屋で待っていたクズキリは

遅かったなというような顔をしながら

三人を見ていた

長机にはお茶とお茶菓子があった

ダンジョウは地底にも

このような文化があることを

物珍しく思った

お茶は一見するとほうじ茶のようだが

一口味見をすると

どちらかというと青汁に近い味だった

悪くいうと

雑巾を絞ったような香りと味だった

ダンジョウは隠れて吐いた

次に泥団子のような菓子に目をやった

一見おはぎのようだが

一口味見をすると

まるっきり泥団子の味だった

ダンジョウは隠れて吐いた

他の地底人三人を見やると

美味しそうに食べたり飲んだりしていた

やはり文化が異なると

味覚も変化するのだろうかと

こころのなかで思った

ダンジョウはテンムスから

何故あのマシンの弱点が分かったのか

問われたが

見た感じ弱点らしいものが

見当たらなかったのと

弱点があるとすれば

丸裸では無いだろうからと

適当に答えた

しかしながら

ダンジョウは言葉には表せられないが

直感のようなもので分かったのだ

自分でもそれがなんなのかは

まだ分かっていない


── 次に備えて一呼吸、地底帝国の詩。