ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

スーパーフード【4-2-3】

みんな食卓に着くと

クズキリが食事前の

儀式を始めた

ところどころに

難解な言葉が

散りばめられており

ダンジョウは

理解に苦しんだが

感覚で聞いていた

一通り終えると

静かに食事を始めた

ダンジョウは

こころのなかで

いただきますをして

このよく分からない食べ物を

少し噛みちぎって

ゆっくり咀嚼した

その瞬間に

口のなかに

感じたことのない風味が

一気に押し寄せてきた

それは甘くも苦くも

辛くも酸っぱくも鹹くもなく

もっと別の味覚だった

そこまで量は

食していないのに

満足感があった

身体にも元気が

漲っているのを感じた

斜め向かいに座っていた

ホージは

おめでたい奴だと

言わんばかりに

鼻で笑い飛ばした

クズキリは

食後の儀式を行うと

あの時も

こんな感じだったと

口を開いた


── 満たされた欲求、地底帝国の詩。