ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

衝撃の食生活【4-2-2】

ダンジョウたちは

鍾乳洞の祠に在る

クズキリたちの

棲家へ案内された

しかしながら

入り口がどこにも

見当たらない

クズキリは

まるで扉でも

あるかのように

石壁をがちゃりと開いた

入り口は

もしもの時のために

その都度変えているらしい

なかへ入ると

家政婦の役目を

取り持った

ダンジョウくらいの年齢の

少年が立っていた

飯支度が出来ていることを

師匠へ伝えると

家政婦姿が恥ずかしくなって

三角巾とエプロンを

急いで外した

彼はホージと言って

最近クズキリに

師事したらしい

ダンジョウは

豪勢な料理を

想像していたが

テーブルに並べられていたのは

茶色いパンのような食べ物だった

しかも

量もそこまで多くはない

一週間に一回の食事で

この量で栄養を

賄えるのだろうか

ダンジョウは

想像とかなりかけ離れた食卓に

内心とてもがっかりした


── 期待は大きく裏切られる、地底帝国の詩。