ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

定刻【5-4-3】

一方のホージは

耳元で囁く悪口よりも

先ほどの戦闘での

自分の不甲斐なさの方で

こころを抉り取られていた

しかも右腕が負傷している

恐らく骨折だろう

腫れ具合と骨の角度でわかる

とんだ激痛だったが

今はそんなものどうでも良かった

ダンジョウ

やつは何者なんだ

あいつと居ると

おれのペースが乱される

もっと

もっと強くならないと

力が

欲しい

ふたりの居る小屋は

窓ひとつなく

石壁の間から溢れる

僅かな鈍い光が

唯一の明かりだった

朝なのかも

昼なのかも

夜なのかも分からない

ただ不思議なことに

ダンジョウは

この生活に順応しつつ

あるのだった

ここに入ってから

どれくらいの時が

流れただろう

砂金時計が落ち切った

その瞬間

ガラッと扉が開き

ふたりは外に出た

ダンジョウは外の風景を見て

唖然とした


── 驚きの光景、地底帝国の詩。