ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

押し潰されそうな痛み【5-4-2】

予告通りだテンムス

小屋を壊した罰を与える

するとクズキリは

テンムスのおでこに

軽くデコピンをした

初めはそこまで痛みを

感じなかったが

後々強烈な痛みを伴った

それは頭がかち割れそう

というよりも

押し潰されそうという

言葉の方が合っていた

特に何もしていないのに

痛みはどんどん増してゆく

痛みに悶えるテンムスを見かね

クズキリは助言をした

ここで修行を終わりにして

お家に帰ってもらっても良いが

どの道生きては帰られまい

せれではわたしが見殺しにしたのと

なんら変わりないからな

少しでも骨のあるのに

してやりたいからな

その痛みは次の修行で

和らげろ

和らがなかったら

一生そのままだ

テンムスはまたしゃがみ込んだ

ダンジョウの精神力は

擦り切れていたが

すんでのところで

耐えていた

耳元で囁く悪口の応酬に

耐えながら

静かに落ちる

砂金時計を睨みつけていた


── 神経衰弱、地底帝国の詩。