ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

底からの呻き声【4-2-1】

テンムスが

目を開けたのを

確認すると

ダンジョウは

すぐさま駆け寄って

安堵した

付き添いの双子には

まだ無理に

動かさないよう言われた

ただそれは

治癒を始めてから

ものの数分足らずの

出来事だった

ダンジョウの

応急処置がなければ

テンムスは

助からなかったというが

ダンジョウは

自らにもっと力があれば

もっと早く助けられたと

思うばかりだった

ぐううううう

腹鳴りの音が

辺りに響き渡った

ダンジョウは

ここのところ

飲まず食わずの

生活をしていたので

無理もなかった

クズキリたちは

丁度この日

一週間に一度

食事を摂る日だったらしく

丁度良いからと

食事へ招待された


── 腹が減っては戦は出来ぬ、地底帝国の詩。