自分には見えているが
他から見えない能力なんて
まるで夢のようだと
ダンジョウは良からぬ
妄想を繰り広げた
その時だった
外の方が騒がしくなり
どうやら帝国軍の傭兵たちが
この場所を突き止めたらしい
博士もそれに気がつき
ここを早く出るように
ダンジョウヘ言った
帝国軍の傭兵たちが
足早にボロ小屋へ
入ってくると
そこには
もうすでに
ふたりの姿は見当たらなかった
傭兵たちは隈なく
探し回ったが
先ほどまで
この場所に人間が存在した
形跡しか辿ることは
出来なかった
傭兵たちが出てゆくと
天井に張り付いた
カメレオン型の機械と
それに乗った
ふたりの姿が
じわじわと実体化した
ふたりはそんな
不思議な機械に乗り
テンムス奪還のために
祭壇へ向かった
── あとは行動するだけ、地底帝国の詩。