ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

潜入用の秘密兵器【2-4-2】

博士は自慢げに

ダンジョウを見ていた

これは先ほど

テンムスが乗っていたものと

同じようだと伝えると

あれをちと改造したもの

とのこと

何がどう改造されたのか

少年にはいまいち

ピンと来なかったが

まず乗ってみろ

と言われたので

迷宮でテンムスが

操縦していたように

見様見真似で

勾玉光輪を置いてみた

それだけじゃ動かん

と怒られ

勾玉光輪を掴んで

こころのなかで

動けと唱えると

たちまち光が発現し

機械がみるみるうちに

起動し始めた

石器のような色に

薄く色がつき始めると

先ほど乗っていた

機械とは異なり

目元をぎょろぎょろ

させていた

そればかりか

徐々に周りの景色と

同化して

見えなくなってしまった

驚くダンジョウを他所目に

タヅクリ博士は

お前の姿も

見えなくなっているぞ

と驚愕の一言を放った


── 期待の特殊能力、地底帝国の詩。