ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

廃品回収【15-3-4】

タヅクリ博士とダンジョウは

西の都市のジャンク市場に来ていた

どうやらここでは

地上から流れてきた部品が

選り分けられずに

そのまま投げ売りされているようだ

 


 博士、こんなとこ来てどうするのさ?

 


 ほっほっほ

 一度じっくり見てみたかったんじゃよ

 なにしろここはメカマニアのなかでも

 聖地と呼ばれている場所じゃからの

 


 遊んでる場合じゃないんだけど〜!

 


 分かっとるわい!

 ちゃんと準備もするぞい!

 


博士は今後使えそうな部品と

趣味で集めたい部品を

手持ちの冬虫夏草で支払って買った

側から見ればゴミを背負っている

ようにしか見えないが

博士にとっては

金山から持ち帰った金の如く

宝の山なのである

 


 ダンジョウ、お主は見たいものなど

 ないのか?

 

 うん、ないね

 あまりそんな気分じゃないし

 


ダンジョウはやはりいつものイキイキした感じではなかった

どこか、喉に魚の骨でも刺さった時のような

苛立ちと不安な表情が

博士には読み取ることができた

 


博士はやさしく笑うと

 


 準備も整ったし、

 プラントへ向かうとするかの!

 


気合いを入れ直して歩き出した

 


── いざ次の舞台へ、地底帝国の詩。