ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

廃墟探索【14-2-2】

五人はまるで廃墟のような

マンション街を散策した

ウナージュは手元に

店主の勾玉からダウンロードした地図を

実際の地形に当てはめながら歩いていた

辺りに人影はないが

どうやらマンション内には

人がいるようで

ベランダからタバコを蒸しているのが

見えたりすることもあった

 


 その地図、目的の場所に

 目印か何か書いてあるの?

 


 ええ、律儀に×印が書いてあるわ

 まるで宝の地図みたいね

 


 あの店主バカだなぁ…

 ぼくならいくら隠してるとはいえ

 見つかって欲しくないところに

 ×印なんて書かないよ?

 


 それってどういう意味よ?

 


ダンジョウの意見に

テンムスが首を突っ込んだ

 


 どうって…、

 言葉通りの意味さ

 


ウナージュは何かに気づいたらしく

いきなり走り始めた

 


 ウナージュさん?!

 


 これは罠かもしれない!

 けれども注意深く向かうのよ!

 まだこの辺りに居座って

 いるかもしれないから!

 


暫く走ると

地図に記された場所へ着いた

マンションの一室のようだった

ウナージュは半度丸を

ダンジョウたちは勾玉を構えると

なかへ突入した

 

 

 

── 辿り着いた先には、地底帝国の詩。