テンムスはどこかの
住宅のなかで目を醒ました
あれ
ここは
ダンジョウはどこ
ふふふ
おねえちゃん
背後からまたもや
少女の声が聞こえた
テンムスの意識は
どこか夢のなかにいる様な
感覚だった
少女の声もぼんやり
響いて聞こえている
その少女は
黒いずきんを被っており
童話に出てきそうな出立ちだ
今から隠れるから
早く見つけてね
そう言うと
少女は忽然と姿を眩ました
わたし
夢でも見ているのかしら
テンムスには
夢か現か判断がつかなくなっていた
扉を開け家の外に出ると
先ほどいた街のようではあるが
やけに人通りが多かった
── 同じ場所とは思えない光景、地底帝国の詩。