ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

黒ずきんの少女【10-3-1】

テンムスはどこかの

住宅のなかで目を醒ました

あれ

ここは

ダンジョウはどこ

ふふふ

おねえちゃん

背後からまたもや

少女の声が聞こえた

テンムスの意識は

どこか夢のなかにいる様な

感覚だった

少女の声もぼんやり

響いて聞こえている

その少女は

黒いずきんを被っており

童話に出てきそうな出立ちだ

今から隠れるから

早く見つけてね

そう言うと

少女は忽然と姿を眩ました

わたし

夢でも見ているのかしら

テンムスには

夢か現か判断がつかなくなっていた

扉を開け家の外に出ると

先ほどいた街のようではあるが

やけに人通りが多かった


── 同じ場所とは思えない光景、地底帝国の詩。