ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

龍のオーラ【8-2-1】

ダンジョウは

テンムスと出会った時に

放ったものと同じオーラを

発していた

その時とは異なり

ダンジョウの目には

星海が輝いていた

オーラの龍は

その十本の首を

起用に用い

シュトレーン以外の

三体の歩く包丁を

喰らい尽くした

十本首の龍は

狙いをシュトレーンに定めると

勢いよく喰らい付いた

シュトレーンは防御体制をとったが

所々食いちぎられていた

一瞬にして満身創痍となった彼は

すぐさま自らの背後に

ポータルのようなものを形成し

ずり落ちるようにそこへ

入って行った

まさかここまでとは

目を見開き

驚愕しながら虚空へ消えた

その後には

研究棟の設備の稼働音が

物悲しく響き渡っていた


── 無言の供養、地底帝国の詩。