ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

ポータル際の別れ【6-2-1】

聞き覚えのある声の主は

タヅクリ博士だった

どうやってここまで

やって来たのだろう

三人は疑問で頭が

いっぱいだった

この空間のなかだけの

ポータルが存在するのだ

クズキリが

三人の抱えている疑問を

即座に払拭した

ここのみならず

地底世界には地上と繋がる

ポータルが無数に

存在しているのだ

正直ここにも在るのなら

自分たちにも

使わせて欲しかったと

三人は思った

わしを置いてかないでおくれ

博士が居てくれると

心強いわね

確かにな

色々教えてくれるし

おれはまだまだ

知らないことだらけだからな

ホージお前も来るのかよ

おれは行かないね

まだここでやることがあるからな

修行には付き合ってやっただけだ

相変わらず捻くれたやつ

じゃあな元気でやれよ

クズキリさんもありがとう

世話になったね

三人は東の都市へと進んでいき

やがて小さくなっていった

ホージ

行かなくていいのか

もちろん行きますよ

けれどもおれはおれ自身の力で

パウンドを葬りたい

おれは

おれのやり方で

好きになさい

クズキリは呆れたように

笑いながら

ホージを見送った


── それぞれの道が輝く、地底帝国の詩。