ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

偶然の抵抗【1-2-4】

ダンジョウが勾玉光輪を

握った途端

ぶわと虹色の光が渦巻き

熱を帯びていった

あちあちあちあち

あまりの熱さに

ダンジョウはびっくりして

そのまま勾玉光輪を

遠くへ投げ飛ばしてしまった

それが功を奏したのか

ダンジョウの放った勾玉光輪は

虹色のうねりを上げながら

ロブスター機械をほぼ真っ二つに

引き裂いてしまった

あまりに突拍子もない出来事に

ふたりの口は塞がらなかった

ロブスター機械はがががと

壊れたねじまき人形のように

ぎこちなくその機能を停止し

やがて動かなくなってしまった

辺りを静寂が支配した頃

ばがと物凄い音とともに

コックピットのなかから

まるで見たことのない生物が

姿を表したのだった


── 一難去ってまた一難、地底帝国の詩。