ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

異形の光【1-4-1】

ダンジョウの手に光る

勾玉光輪は

徐々にその形を

大きくしてゆき

終いには

八岐大蛇のような

様相を呈していた

竜人間は

その光の異様さに畏怖した

テンムスも

その切長の目を

大きく見開いて凝視した

その間ダンジョウは

まるで先ほどまでの

怖気づいていた少年とは

別人のように

何処か貫禄のある

出立ちをしていた

八岐大蛇を繋げた

勾玉光輪を胸の前に構えて

ゆっくりゆっくり

竜人間の方へ

歩み寄って行った

やめろ来るな

竜人間の前に立っていた

テンムスは

恐る恐る道を開けた

ゆっくりゆっくり

ダンジョウは歩を進めた

次の瞬間

幾重にも伸びる遺跡の通路には

断末魔の叫び声がこだました


── 罪には罰を、地底帝国の詩。