ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

恐竜人間の脅威【1-3-1】

ロブスター機械の

コックピットから姿を現したのは

人間の形は保ちながらも

恐竜の意匠を纏った

竜人間だった

ダンジョウがこどもの頃に

図鑑で見た姿とは

どこか少し違うように

感じていたが

顔や皮膚は恐竜のそれ

そのものだった

ただ

一歩間違えれば

トカゲ人間と言われても

おかしくはない風貌である

竜人間はつぶらだが

圧倒的な殺意を孕んだ瞳を

こちらに向けながら

ふたりの方へ近づいて来た

その手には

先ほどダンジョウが

投げ飛ばしたものと

少し形の異なる

勾玉光輪が握られていた


── 人ならざる鋭い眼光、地底帝国の詩。