ロブスター機械の
コックピットから姿を現したのは
人間の形は保ちながらも
恐竜の意匠を纏った
恐竜人間だった
ダンジョウがこどもの頃に
図鑑で見た姿とは
どこか少し違うように
感じていたが
顔や皮膚は恐竜のそれ
そのものだった
ただ
一歩間違えれば
トカゲ人間と言われても
おかしくはない風貌である
圧倒的な殺意を孕んだ瞳を
こちらに向けながら
ふたりの方へ近づいて来た
その手には
先ほどダンジョウが
投げ飛ばしたものと
少し形の異なる
勾玉光輪が握られていた
── 人ならざる鋭い眼光、地底帝国の詩。