ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

目にも止まらぬ攻防【1-3-3】

テンムスは

竜人間の勾玉光輪を

そのまま操り

きりもみ回転しながら

竜人間へ

攻撃を仕掛けた

テンムスの放った勾玉光輪は

きりもみ回転を続けながら

竜人間の顔目掛けて

飛んでいった

しかし

竜人間は四本指の手を

自分の前に差し出すと

最も簡単に回転を緩めてしまい

そのまま勾玉光輪を

手中へと収めてしまった

プロペラが今度は八枚刃になり

鎌鼬のような空圧が

テンムスを襲った

ダンジョウはふたりの動きを

目で追うことは出来ず

ただ呆然と立ち尽くしていたが

突如脳内にテンムスの声を感じた

わたしがこいつを惹きつけるから

きみはわたしの勾玉光輪を拾ってくれ

あなたならできる

自分を信じて

わたしを信じて

少年は震える脚を抑え

決死の行動に出た


── 少しの勇気で世界は変わる、地底帝国の詩。