テンムスは
恐竜人間の勾玉光輪を
そのまま操り
きりもみ回転しながら
恐竜人間へ
攻撃を仕掛けた
テンムスの放った勾玉光輪は
きりもみ回転を続けながら
恐竜人間の顔目掛けて
飛んでいった
しかし
恐竜人間は四本指の手を
自分の前に差し出すと
最も簡単に回転を緩めてしまい
そのまま勾玉光輪を
手中へと収めてしまった
プロペラが今度は八枚刃になり
鎌鼬のような空圧が
テンムスを襲った
ダンジョウはふたりの動きを
目で追うことは出来ず
ただ呆然と立ち尽くしていたが
突如脳内にテンムスの声を感じた
わたしがこいつを惹きつけるから
きみはわたしの勾玉光輪を拾ってくれ
あなたならできる
自分を信じて
わたしを信じて
少年は震える脚を抑え
決死の行動に出た
── 少しの勇気で世界は変わる、地底帝国の詩。