ヒトリゴ島

生きとし生ける、ひとりごと。

歓迎光臨【12-4-3】

西の都市の門が開くと

そこに待っていたのは

大勢の強面軍団だった

ダンジョウは

映画で見たことあるような

敵の一団だと思った

服装も映画宜しく

香港マフィア風の

スタンドカラーで

デザインは異なるものの

道着のような

黒ずくめのものを

各々身に纏っていた

因みにテンムスは

形こそ似ているが

纏っているのは

白に近い色のものだ

そんな解説を入れる間もなく

マフィア軍団は

何やらを一斉に

撃ち放って来た

みんなふせろ

ダダダダダダダダダ

初めて聞く

機関銃の音に

ダンジョウはまるで

映画のなかに

入ってしまったような

錯覚をした

マフィアからは

こちらの姿は

見えないようだが

明らか狙って

撃って来ている

迷彩装置が機能してないの

いや

そんなことはないはずじゃ

確かに作動中じゃよ

タヅクリ博士も

半ば焦っていた

あれは真心丸ね

心力を圧縮して

撃ち出す装置よ

あれも勾玉で

起動するの

そうね

そのタイプが多いみたい

感心している場合かよ

急いでなかに入らなきゃ

ダンジョウは

操縦桿を手に取って

面舵いっぱい切った


── 少々手荒なおもてなし、地底帝国の詩。